ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 都条例の話の続き。

  新聞やネットニュースでは、「今回は結論を出さず先送り」とも言われて、それを真に受けて安心している人がいますけど、違いますからね。
 「民主党が、先送りにしようと調整を開始した」だけですからね。
 まだ「先送りにしよう」なんて結論は出てない。
 結論が出るのは明日。
 民主党の必殺技「先送り」が発動するかどうかは、まだ不明なのです。

 で……
 mixiとか2chとかブログを読む限り、規制反対派が多いように見えますが。
 でも規制賛成論者もいて。
 「規制やむなし」(消極的賛成)論者もいて。
 そもそも無関心、そんなもんより明日の食い扶持、という人が一番多いんだろう。

 「なにがなんでも規制賛成! だってエロ本はキモイから!」という人の心は、動かせない気がする。
 私自身、「どうしても不快で我慢できない!」ものはあるから。言葉で説得されてもハラワタが嫌悪でよじれるんじゃい! みたいな。
 しかし、「無知」や「事実誤認」で賛成してる人になら、まだ言葉が届く。そう信じてる。
 だから書く。

 「昔もエロい本はあったけど、子供には買えないアンダーグラウンドな存在だった。
 しかし今は子供でも平気で買えるエロ本(漫画など)が溢れているので、悪影響が無視できない。ある程度の規制は必要」

 
 などという「規制賛成論」があります。
 なるほど……と言いたいところですが、ちょっと待ってください。
 今は昔と比べて、本当にエロに溢れていますか?
 昔は溢れていなかったんですか?
「昔、子供にエロ本は買えなかった」っていつの話ですか。
 まさか戦時中の話をしているわけではないでしょう。
 少なくとも、私がエロに興味を持ったころ……1988年、すでに書店にはエロい本がどっさり売っていて、中学生でも平気で買えましたよ。
 1980年代後半から1990年代前半のことなら、昨日のように思い出せます。
 学校が辛かったから、本の中身に全力で逃避したから、良く覚えているんです。
 
 たとえば「コンプティーク」という雑誌があってですね。
 コンピュータゲームの紹介や小説連載、テーブルトークRPGや読者参加ゲームなんかが載ってる雑誌でした。発行部数は最盛期で20万部。ゲームからアイドルまで、当時の男性向けオタク文化をほとんど一手に引き受けている雑誌でした。あの雑誌がなければライト・ファンタジーの流行もなかったかもしれない。ガイナックスがヒットメーカーになって、後にエヴァンゲリオンを作ることもなかったかもしれない。そのくらい影響力の大きかった、時代を代表する雑誌です。
 で、その雑誌に「ちょっとエッチな福袋」という「袋とじコーナー」があったんですよ。
 ちょっとどころじゃないわけですが。
 中を開けてみれば、エロ漫画の紹介、エロビデオの紹介と批評、読者から送られてきたエロい絵……たまに体験告白なんてのもありました。
 裸、裸、裸のオンパレードですよ。
 ちなみに、ビデオこそモザイクがあったものの、絵の局部修正はものすごく控えめで、修正されてないも同然でした。
 そりゃ親に見つかったら取り上げられますが、本屋で買う分には何のお咎めもありませんでしたよ。18禁のマークとか、売り場を分けるとか、そんなことはなし。そういう規制が行われたのはもっと後。
 さらにコンプティークのライバルでテクノポリスという雑誌があってですね。
 この時代のテクノポリスはエロゲー雑誌だったんですよ。
 何十ページにもわたり、ゲームの中のエロいシーンを紹介しまくりですよ。
 テクノポリスは、わざわざ「美少女ゲーム」という言葉を商標登録したのです。
 「エロゲー」という直裁的な言葉を使いたくなくて。

 え? 当時のパソコンはマイナーな趣味だから、子供達に影響を与えてないって?
 じゃあ小説はどうでしょう。
「魔獣戦士ルナ・ヴァルガー」という小説があってですね。
 コメディタッチのファンタジーで、ライトノベルの初期作品の一つなのですが。
 これはメインキャラクターの一人が少女娼婦で、巻ごとに必ず誰かと交わるのです。
 相手が男だろうが女だろうがおかまいなく。むしろレズ中心で。
 もちろんベッドシーンは必ずイラストつきで。
 これベストセラー小説ですよ。
 いまのライトノベルだって性行為のでてくるものはありますけど、ここまで頻繁にやるのは圧倒的少数派です。いまのライトノベルで、イラストがパンツ見せてるとか、そんなのかわいいものです。

 っていうか、この時代、小説の世界では性描写が野放しでした。
 ちょうど「伝奇オカルトバイオレンス」というジャンルが流行っていたんです。
 菊地秀行、夢枕漠を中心に、書店を埋め尽くしていましたよ。
 で、これらの作品には暴力描写とともに、性描写が付き物でした。
 菊地・夢枕作品は、まだ大人しいほうかもしれない。
 谷恒生や志茂田景樹が書いてた奴なんて、そりゃもうすごいですよ。
 もうね、ヒロインが魔物や邪教団にとっつかまって生贄にされて犯されて、主人公が助けに来て……(以下略)という話をどれほど読んだことか……あと謎の宝石がピカッと光って助かる話も(笑)
 子供が読むかって? 「子供」を「未成年」と定義するなら読みましたよ。あの時代の菊地秀行は中学生でも読んでる人がクラスに何人もいました。
 
 さらに言うなら、この時代は「少女のヌード写真集」が売られていたんですね。ヘアヌードが禁止されているんなら最初から毛が生えていなければ良いのだ! くらいの勢いで。「ロリータは芸術!」とか大上段に。12歳くらいの全裸の少女が自衛隊の61式戦車にまたがってる写真集とか、アグネスが見たら卒倒するような代物が(笑)。少女ヌード専門の雑誌もありました。
 
 とにかく、20年前には、すでに日本の書店にエロが溢れて、子供でも手に取れる状況でした。

 エロが良いか悪いか、という話の前に。
「エロの蔓延は今に始まったことじゃないのだ、今が特に悪くて昔が良かった、などというのは幻想なのだ」
 ということを全力で訴えます。
 賛成も反対も、まず事実に基づいて。
 
 今日の日記で、ものすごいムッツリ助平だと思われたような気がするが、「それでもいい!」ので、このままネットに載せちゃう。

コメント
無題
本当にそう思ってるのですか?
不景気の世の中でゲームや漫画その他もろもろがエロに手を出してますよ
それも子どもの手に届きやすいところに
エロは売れるからね
本来啓蒙的であるべきそれらのメディアが成り下がって悪影響そのものに資する現在、悪いのは他でもない大人たちだ
【2012/04/03 20:40】 NAME[NONAME] WEBLINK[] EDIT[]


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