ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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野村美月の「文学少女」シリーズを最後まで読んだ。
「文学少女と繋がれた愚者」というタイトルの美しさが気になって読み始めた。 読んだ後に気づいたが、「繋がれた愚者」は1巻でなく3巻だった。ばっかじゃーん。 恋愛小説+青春小説+微妙にミステリーみたいな、わたしが滅多に読まないジャンルの本。書店でこの小説を手に取ってるのは女の子が多い。このイラストだもんなあ。 面白かった。「楽しいか?」って言われると「むしろ苦しい、読むのが辛い、切ない」んだけど、でも引き込まれて最後まで一気に読んだ。 全体としては、 「かつて天才作家だった主人公が好きな女の子の自殺未遂で傷つき、小説が書けなくなり、文学少女・遠子先輩に助けられて、また作家になる」 という話。 その「助けられて」の部分が8冊もあって、すごくきめ細かい。 っていうか、「助けられて作家になる」はバックグラウンドで鳴り続けていた音楽のようなもの。 表面上はミステリ仕立てで、主人公と先輩が「さまざまな事件を解決してゆく」。 8冊の間、主人公の周りではさまざまな出来事が起こる。 さまざまな絶望や罪を背負った人が現れる。 自分には人間らしい心がないんだ、という女の子。 自分は友達を裏切ってしまった、という少年と少女。 「家」に囚われた少女。 自分をえぐるように、苛烈な小説を書き続ける女。 彼らが、遠子先輩の文学愛によってトラウマを解体され、主人公の体当たり的な頑張りによって癒され、再び未来へと歩き出していく。 その繰り返しの中で、主人公も変わっていったのだろう。 物語への愛を思い出したのだろう。人が人に思いを届けることの凄さを再確認したんだろう。 だから主人公は最後の最後で、「もう小説なんて書かなくていいんだよ」という女の子を振り切り、人並みの家庭的な幸せを捨て、あえて一人の道を進み始めたのだろう。 ……あらすじを説明するのが難しい。 このシリーズが面白かったのであらすじに分解しているんだけど、これが本当に、抽象化しづらい…… でも面白かったんだけど、唯一疑問だったのは、「犯罪がスルーされすぎ」。 通俗的な言葉を使うと「ヤンデレ大行進」の話だから、レイプ未遂とか殺人未遂とか万引きとか、そういうことをやる奴が何人も出てくるけど。 法的な処罰を誰も受けねえ(笑)。 いくら心の傷があったから仕方ないといっても、罪を犯した本人も苦しむといっても、やはり法の裁きはあってしかるべきだと思うんだけど。 とくに最終巻の竹田さん! あなたが無罪放免はおかしいっしょ。 東京拘置所の狭き門をくぐるべし! 大丈夫、きっと彼氏は待ってる。 っていうか彼氏のほうも入れ! PR |
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