ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 映画「リズと青い鳥」、見てきた。
 巨大な感情で殴られる映画、感情になる映画。少しでも百合に興味があるなら見てほしい。
 ネットでは、そんなふうに言われて、絶賛されている。
 百合(女の子同士の疑似恋愛)は好きだ。
 まどか☆マギカもシンフォギアも大好きです。
 
 だから、見た。
 感想は……
 実に贅沢な映画だなあ!
 だって、大きなことは起こらない。
 小さいことをほんとうに丁寧に描いている。
 女の子二人の、恋愛に近い関係を描いた話なんだけど。

 内気な女の子、みぞれ。
 明るくて人気者の女の子、希美。
 みぞれは、自分を吹奏楽に誘ってくれて、孤独から救い出してくれた希美のことが、大好き。心から愛している。
 ふたりは吹奏楽部で楽しい生活を過ごしていた。
 ところが、高校最後のコンクールの課題曲で、ふたりきりで演奏するパートがあるのに、なぜだか息が合わない。
 だってみぞれは、「この練習の毎日が終わってほしくない」「本番なんて永遠に来なければいいのに」と思っているから。コンクールが成功しようが失敗しようが、終わってしまえば卒業、そしてもう、楽しい日々は続けられない。だからみぞれは前に進めない……
 みぞれは自分の境遇を、課題曲の原作童話「リズと青い鳥」に重ねあわせていた。
 孤独な少女リズのところに、謎の少女が現れて仲良しになる。
 だが、謎の少女は青い鳥だった。空を飛ぶ翼がある。友達として閉じ込めて良いのか?
 みぞれは、「自分だったら、ぜったいに青い鳥を逃がさない。逃がしてしまうリズが理解できない」という。
 希美との溝は深まるばかりだ……

 しかし、そんなみぞれも、少しずつ変わっていく。
 彼女を慕う後輩とのからむうちに。見事な演奏を見せる後輩・久美子&麗奈コンビ(ユーフォニアム本編の主人公)をみるうちに。
 そして、最後に気づく。
 どちらがリズで、どちらが青い鳥だったか。
 友達を閉じ込めていたのはどちらだったか……
 
 愛が憎しみになるとか、幸福が不幸になるとか、そういうこと大きなことは起こらない。
 決定的に二人が決別するわけでもない。

 主人公、みぞれは希美のことが大好きで、大好きだからこそ、片時も離れたくない。
 これが、
 大好きだからこそ、信頼しているからこそ、今は一時的に離れることができる。
 道を違えても、ずっと私たちは一緒だ。
 ……に変わっただけ。
 普通のアニメだったら1話も使わない話を、90分の映画にしている。
 微妙な心理の変化を、表情や仕草で表現し、表現し、表現しまくっている。
 ねっとりとしたフェティシズムが、びっちりと映画全体を覆っている。
 繊細で幻想的で、それでいて緊張感がある。

 私は、終盤で、「でも、今は」「でも、今は」と、みぞれ・希美がハモるシーンが好きだ。
 最初はみぞれがリズだった。でも今はみぞれは青い鳥だ。
 2人が同時に、それに気づいた瞬間、たくさんの青い鳥が羽ばたく。
 素晴らしく心に残るシーンだ。
 私はこれを、「2人が呪縛から解き放たれた」という意味で「鳥が羽ばたいた」って表現したんだと思っていた。
 でも、ネットには違う意見もある。
 ふたりは「みぞれは青い鳥。青い鳥は飛び立つべき」という結論に達した。
 でも、「なぜ飛ぶべきなのか」は全く違う。
 ふたりの意見は一致するどころか決定的にすれ違ってしまった。
 絆だったはずの音楽において、決定的に断絶した。
 解釈が発散したからこそ、「一羽の鳥」ではなく、「たくさんの鳥」が飛んだのだ。
 そういう考えもあるか……
 
 とにかく、なかなかいい映画だった。
 良かったねえ、感動、だけでなく、なにか心にモヤモヤしたものが残るのが、また良い。
 
 この映画では、主にみぞれ視点で描いているけど、希美側の気持ちを考えると、痛々しい気持ちになるよね。
 希美は「良い子」だけど、「聖人君子」ではないので、極度の内気で、友達が一人しかいないみぞれのことを見下す気持ちがあったはず。
 見下すといっても侮蔑ではなく、庇護の気持ち。
 この子は私がついていないとダメだなあ、守ってあげなきゃ、的な。
 でも、ずっとそうやって「庇護すべき弱い者」だと思っていたのに……みぞれは自分を遥かに凌ぐ天才で、自分は「天才の足を引っ張る凡人」だったんですよ。
 「私、普通の人だから」ってみぞれに言った時、彼女の心の中はどうなっていたんでしょうね。
 ドキドキします。

 それにしても、女性客の多い映画だった!!!
 95パーセントくらい女性だ。ガルパンの逆だ。
 「聲の形」はカップルが多かったけど、「リズと青い鳥」は女性だけで見に行く映画のようだ。

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