ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
[739] [738] [737] [736] [735] [734] [733] [732] [731] [730] [729]
連休の間はずっと仕事でした。
 バイクでひたすら走りました。4日間で600キロ。
 鎌倉とか走りました。さすがに134号線は大変な混雑です。
 雨が降った日はまだマシでしたが、晴天の5月4日、あの日がやばかった。
 バイクでもスリ抜けできないレベルの大渋滞(だって道がところどころ狭くなって隙間がない!)が10キロも続いて、ウガーッ! イライラー! ってなりながら走った。

 でも素晴らしいこともあった。
 湘南地方はツーリングらしいバイクがたくさん走っていて、すれ違うたび、「おっ、あれはナントカだな」ってニヤニヤしていたんですよ。いろいろなバイクが走っている姿は心を癒してくれますよね。
 ところが、「なんだろアレ?」ってバイクが一台あって、気になって、それを追いかけて並んだんですよ。
 円錐形のやたら長いタンク。非常に個性的。
 リアサスは無い。シートの下にスプリング。リジットサスという奴か。
 かなり古いデザインだな。エンジンはV型……うーん。ロングストロークで古そうなエンジンだな、でもこれはなんだろう……どっかで見たような気はするんだよね……
 タンクに小さな文字で、こう書いてあるのを見つけた。
 
 BROUGH
 SUPE

 ここまで読んで、で私は周囲をはばからず叫んだ。
「ブラフ・シューペリア!!」
 ジェットヘルをかぶったライダーが私に振り向く。
「いや、その、失礼しました……」
「そうです、ブラフ・シューペリアです」
 にこやかな青年で、私の無作法に怒った様子はない。
「本物ですか! これ本物ですか!! スゲー! スゲー!」
 さらに失礼な俺。
「はい本物です」
「すいません、本当に。でも驚いちゃって……ほんとにいるんですね、乗ってる人が……凄い、本当に凄い。だってこれ超貴重な歴史的マシンでしょう。国宝みたいなものでしょう、維持できるなんて……これはアレですか、SS100というやつですか」
「SS80です。100は手が届かなかった」
「おお……」
 感動のあまり、私の声が震える。
 だってあなた、ブラフ・シューペリアですよ。
 戦前のイギリスで作られた、最高品質の超高性能バイクですよ。
 当時、日本のバイクは陸王とメグロしか無くて100キロ出すのがやっとだったのに、ブラフ・シューペリアは180キロくらい出したんですよ。正真正銘のバケモノですよ。今の世の中であれに相当するものはない。ハヤブサもR1も、そこまで突出した高性能じゃない、他のメーカーだって大差ないものを作れる。だがブラフ・シューペリアは違う! 誰にも真似ができない超技術の結晶だった! ……と私は考えております。
(詳しい人にツッコまれるのが怖くなった)
 値段も桁違いに高かったけど。
 いま買おうとしたら1000万円くらいはするはずです。そもそもカネ以前に、80年前のバイクを維持できるなんて、なんという情熱……部品とかはどうやって入手するんだ!? 図面かいて、工場に発注するの!?
 いろいろ話を聞きたかったけど、仕事中で、遅れるわけにはいかないので、数分喋って別れた。
 ああ、感動した、興奮した……心臓のドキドキが止まらない……

 って話を、会社に帰ってからいろんな人に話しても共感してもらえない……
 バイクに詳しい、昔走り屋みたいな感じだった人にこの話をしたら「なにそれ?」などと言われ、仰天した。えーっブラフ・シューペリア知らないの!? バイク好きと言ってもいろいろな派閥があるのか……?
 とにかく俺にとってブラフ・シューペリアは、「そういうのがある」という知識はあっても、はっきりいって伝説の存在、この世のものだと思っていなかったんです。
 それが目の前を走っている!
 アニメキャラが画面から出てきた! というレベルで驚天動地の出来事です、私にとっては!

 とにかく世にも珍しいものを見た。
 この感動だけでしばらく元気に働ける。
 あー、でもー!
 写真撮らせてくれって言うの忘れたー!!
 撮って待ち受け画像にでもすれば、毎日ニヤニヤできたのに!
 
 追記

 ブラフ・シューペリアが誰にも真似ができないできない超技術というのは言い過ぎだった。
 イタリアにはもっと速い奴もあったはずですよね、ジレラ・ロンディーネとか……ロンディーネの知識なんて、マンガ「ジャジャ」でちょっと出てきたから知っているだけでゼロに近いけど、あれはもっと速いですよね。
 でもあれは一品物のレーサーだからジャンルが違うブツブツ。
 思い入れ故に口走ったということで。ドイツ車もイタリア車も好きですよ、けっして馬鹿にする意図はありません。

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[10/25 Home renovation]
[10/25 Быстрые деньги Минск]
[10/19 TopHost]
[10/19 CloudVPS]
[09/22 Harrytebra]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ますだじゅん/ペンネームC
HP:
性別:
男性
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析