ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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私が通っている健康ランドの更衣室で、男の子二人の会話を耳に挟んだ。
声しか聞いていないので年齢は不明だが、たぶん小学生だろう。 男の子A「アイス喰いてー」 男の子B「売ってんじゃん、買えばいいじゃん」 男の子A「もっと牛乳っぽい、まろやかーなのが食いてえんだよ!」 男の子B「乳脂肪分が高いってこと? 5.0パーセントじゃなくて12パーセントpとか」 男の子A「それだよそれ! 難しい言葉しってんじゃん。牛乳っぽいと、なんかチーズケーキ喰ったときみたいに、口んなかにふわーっと広がって溶けて、うめえんだよ! 12パーセントであんだけ美味いんだから100パーセントになるとすごいだろうな! 100パーセントのアイス喰いてえな!」 男の子B「ねえよそんなもん」 男の子A「なんでねえんだよ? 絶対だな? 絶対ないな?」 男の子B「絶対ないよ。 だって牛乳100パーセントのアイスって……(絶妙の間)……それ牛乳じゃん!」 私は噴きだした。 当たり前のことを当たり前に言っているだけなのに、なぜか笑える。 そして、笑った後に怖くなる。 まるで驚愕の真実を告げられたような気にもなる。 この感覚は、あの外山恒一の(都知事選挙のときの)政見放送を聞いたときと同じだ。 「我々少数派にとって選挙ほどバカバカしいものはない! 多数決で決めれば多数派が勝つに決まってるじゃないか!」 これを聞いたときも最初は笑い、そして恐ろしくなったものだ。 そう言えばそうだな…… すべての人間を幸福に出来るシステムも政策もないということを、つまりこの世のすべての政策は「程度の差」でしかないことを、世の中について語る者は忘れてはいけないんだ…… 私は最近、「革命」だけは違うと思っていた。 革命家はすべての人間を幸福にしようと、全人類を救おうとしてきたのだと信じてきた。 ただ能力が足りなくて全員は救えず、涙を呑んで切り捨てただけだと。 ロベスピエールも、レーニンも、カストロも、連合赤軍でさえ、本心のところでは全員の幸福を意図していたのだと思っていた。 だがそうではなく、まったく逆で、「こいつらは悪で、俺達が苦しんでいるのは全部こいつらのせいで、こいつらは殺してもいいんだ」と「殺してもいい人間を選別する」のが「革命の本質」なのかもしれない。能力不足ではなく、最初っからそういうものなのだと。 認識が切り替わる決定的な瞬間があったのだ。 ……なんで牛乳100パーセントからこんな話になったんだろ? PR |
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