ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 アニメ「ゾンビランドサガ」の11話を見た。

 泣ける、感動した、というより……
 心にグサッと刺さった。

 さくらは、生前の記憶を取り戻した。
 ところが逆に、ゾンビになってからのアイドル生活を全部忘れてしまい、超ネガティブ思考になってしまった。
 生前の彼女は、スポーツも勉強も、努力しても努力しても成功できない、挫折だらけの人生だったのだ。
 その挫折のことを思い出したさくらは、「自分は『もってない』。アイドルなんてできるはずがない」と、活動を拒否する。
 サキやリリィが説得するが、さくらの絶望はあまりに深く、じわりとも動かない。
 そして、さくらはひっそりと姿を消す……
 「どうしてそんなに頑張れないんですか?」
 この自問自答が、あまりに痛い……

 さくらは「死ぬほど頑張った」人間。
 軽々しく、あなたの気持ちがわかるとはいえない。
 でも、「わかる」。
 その欠片だけなら。
 仕事でも趣味でも人間関係でも、挫折と諦めを経験したことのない人は、きっといないだろう。
 やっとあきらめて楽になろうとしている人に、「ほんとうはやりたいんだろう? もっとがんばれよ」と励ますことが、どれほど残酷か……

 いままでの明るくて前向きな、空回りするくらいのさくらをよく知っているだけに、今回のネガティブさくらは、私にすごい衝撃を与えてくれた。10話も、「さくらは、ものすごい頑張り屋」を印象づけるためにあったんだろう。
 あのくらい明るかった子の心を、あれだけ砕く挫折のつらさ……

 「どうしてそんなに頑張れないんですか?」
 「どうしてそんなに頑張れないんですか?」
 「どうしてそんなに頑張れないんですか?」
 
 夢に出そうなフレーズだ。
 やめてくれよ……もうやめてくれよ……
 
 そこに孝太郎が、熱い言葉を叩き込む。

「俺がもっとるんじゃーい!
 お前がいくらもってなかろうが、俺がもってりゃええんじゃい!
 なんかこうでっかい、すごいなんか、でっかくてすごいのを、俺はもってるんじゃい!
 いいかさくら、だから、俺は、お前を絶対に見捨ててやらん!」

 このむちゃくちゃな説得。この語彙不足。
 でも、これしかない。
 理屈で説得したってダメに決まってる。
 絶対の絶望には、絶対の希望をぶつけるしか無いのだ。
 いまこそ孝太郎が本音の直球を投げてきた、心が叫んだ、という印象もある。
 フザケてるアイドル奉行でもなく、純子をカッコ良く諭したプロデューサーでもなく。
 さくらを大切に思う、ひとりの人間として。
 
 はたして、孝太郎がさくらを愛する理由とは何か。
 そしてさくらは、再び歩き出せるのか。
 もうすぐ、最終話が放映される。

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