ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 映画「楽園追放」みてきました。 新宿バルト9でみました。 アンジェラ等身大フィギュアが展示されていました。 ほんとにコレ等身大? こんなに小柄なの? 140センチくらいに見えるんだけど…… 劇中よりも縮んでない? まあそれはいいや。 映像面は完璧でした! もう本当に凄い! ロボット(アーハン)の格闘、空中戦、射撃戦、すべてが緻密に描かれ、ダイナミックに動きまくり。超興奮。人物も3DCGで描いてあるんだけど、ポリゴン臭さがゼロ、ものすごく自然。ついに3DCGは不気味の谷を完全に克服し、格好いいメカと萌える女の子を手に入れた! ……「不気味の谷」ってのは「人間そっくりにした時に生まれる現象」だから、最初から「実車じゃなくてセルアニメっぽく作ったCG」には当てはまらない言葉か……? とにかく映像面は非の打ち所がないと思った! ストーリーも十分に面白かった! 設定やテーマとかをセリフで語ってしまうのがSFとしてダメだ、映像で見せるべきだ、という批判意見がネットにたくさんあるけど、「いやあ、説明セリフは必要でしょ」と思う。 SFマニアではない人にも楽しんでもらうために。 サービス精神ですよ、サービス精神。 面白かったので「もっと、もっと」と欲が出てくる。 ストーリーが保守的だったのが、じゃっかん物足りない。 「見たこともない」「あっと驚くような物語」ではなかったのが不満。 フロンティアセッターの正体が明らかになってから、ドンデン返しとかはなく、「たぶん、こうなるだろう」という通りに話は進む。 あと、ストーリーだけじゃなくてテーマ的にも保守的だった。 この映画のテーマ(っていうか、問題提起)は、 1,「人間性を喪った人間と、人間性を獲得した機械は、どっちが人間なのか」 2,「肉体を捨てて電脳世界で暮らすことは幸福なのか」 だと思う。 前者の問題提起に関しては「はい、人間性を獲得した機械こそ人間です」って、あっさり答えを出している。理由は「歌を歌い、仁義を通し、宇宙に夢を見たから」だ。 つまり「その機械は、人間のように振る舞ったから人間である」と。 たしかにディンゴがセッターを「あんたは人間だ」と認めるシーンは感動的だった。 でもこれは、一歩引いて考えてみると、たまたまセッターが、ディンゴにとって共感or理解できる趣味を持っていたから「人間だ」って思ったんだよね。 もしロリコンアニメを見たり、ネットの掲示板で煽るのが趣味だったら「そんな気持ちの悪い趣味は人間じゃない」って感想を持たれてしまったよね。 俺がセッターだったら、果たしてディンゴに人間扱いしてもらえただろうか……? うーん…… 「俺の感情では、お前は人間だ」という、感情の共鳴に過ぎないんだよね。 ようするに「チューリング・テスト」の一種でしか無い。 「チューリング・テスト」は、「人工知能が本当に知能を持っているかどうか判定する方法」。 キーボードを使って、人間と人工知能が対話する。 人間のほうが、相手が人工知能なのか人間なのか区別できなかったら、「この人工知能は知性を持っている」。 つまり「知性を持っているかの判断基準は人間の主観しか無い」。 でもチューリング・テストに対しては「中国語の部屋」「哲学的ゾンビ」など、いくつもの反論が行われている。 つまり、たとえ本当の知能を持っていなくても、相手が言ってることがわかっていなくても自分が何をやっているのかわかっていなくても、「こう訊かれたらこう答える」というパターンを大量に蓄えれば、人間はそれを「ちゃんと考えてる」と誤認することはあるのだ。パターンを100万、何億、と増やしていけば。 「心を持っているかどうか」なんて、知性以上に曖昧だ。 たとえ実際には感情がなくても、「人間の感情とはこういうものだ、こういうときにはこういう感情を持つ」というデータを大量に揃え、それにもとづいて振る舞えば、人間は「感情がある」と判断するだろう。 チューリング・テストは「心がある」と「心があるように振る舞う」を区別できない。 また、「人間と違う種類の知性、人間と違う種類の心」を知性や心だと認定できない。 果たしてそれでいいんだろうか。 ディンゴの性格からして、そんなことゴチャゴチャ考えるわけ無いんだけど、でも…… SFとしては、もっと掘り下げて欲しかった…… そして2番目の問題提起「電脳世界で暮らすことは幸せか」には、実は答えてない。 ディーヴァには自由なんて無い、とディンゴが言う。アンジェラの上司たちは狭量に振る舞い、アンジェラもその姿を見て幻滅し、ディーヴァを捨てる。 でもそれは、「コンピュータの中の世界だからダメ」じゃなくて、「メモリ割り当て量を上層部に管理され、上層部の顔色をうかがわないと行きられない世界だからダメ」なんだよね。 電脳世界批判じゃなくて、管理社会批判にすぎない。 コンピュータの外の世界でも、食料やら燃料やらが欠乏すれば、配給制になる。反体制的な言動をすれば配給停止になる。村八分、場合によっては拷問、投獄。「誰かに値段を付けられ、奴隷のように生きる」世界になる。 ディンゴは「努力不足や不運で死ぬのは仕方ないが、他人に生き死にを決められるのは真っ平だ」といって、現実世界は良い、ディーヴァは悪いというが、現実世界でも「他人に生き死にを決められる」状況は山のようにある。ディンゴが好き勝手できるのは「すこぶる有能」だからでしょ。現実世界は自由、というのは、ごく一部の人間にとっては、というだけの話だ。 逆にコンピュータの中の世界でもメモリーをふんだんに用意すれば好き勝手に生きられるわけで、「コンピュータの中の世界は物質世界とくらべて根本的にダメ」というわけじゃない。 だから、「電脳世界の是非」というテーマは誤魔化されている。 娯楽としてはすごく面白かったけど、でもSFとして面白くするんなら、これらの問いについて、もっと深く考えて、もっと斬新な意見を出して欲しかった。 仕方ないのかな。SF的テーマを追求し過ぎるとマニアしかついてこれないのかな。 SFに詳しい山本弘が絶賛してるんだから、これでいいのかな。 あの人は「心とは何か、人工知能は心を持てるのか」というテーマの作品をいくつも書いているので、「人間か否か」を主観で決めてしまうのが怖いことだと、当然わかると思うんだけど…… わかったうえで、「そこを掘り下げるのはよくない」と、あえてサラッと流したのかな。 どうなんだろう。 私以外に、「人間か否かは主観で決める」が不満だった人はいませんか? あとツッコミどころとしては…… 1,なんでディーヴァの攻撃部隊は、上昇していくロケットを攻撃しなかったのか。 なんで諦めて見送ったのか。 上昇途中なんて機動性もないし、ロケットは軽く作ってあるから防弾性ゼロだし、簡単に撃破できそうなものなのに。 2,なんで「亜酸化窒素を酸化剤に使ったロケット」などという原始的なものを使ったのか。 もっと高性能な、常温核融合ロケットエンジンとか、ないんですか? たぶんあると思うんですよ。 アーハンのエンジンがそうだと思う。 明らかに化学反応で動いてない。 だって燃料タンクが見当たらない。 どこにあるのかわからないほど小さな燃料タンクで、あんな長時間噴射を続けて、自由自在に飛び回る。 化学反応を使ったロケットだったら、無理ですよ。 はるかに燃費がいい、比推力の高いエンジンを使っている。 電脳戦ではディーヴァをしのいでいるセッターが、なんでロケットに関しては超古臭い技術しか持っていないのか? 先端技術を使ったらディーヴァにばれるから、あえて古い技術を使ったってこと? コンピュータに関してはディーヴァ以上のものを揃えているのに? 3.細かいことだけど、なんで街の連中はアンジェラの服装を奇異に思わないのか。 明らかに浮いてるでしょ。西部劇や民族衣装の中で、一人だけハイレグコスプレで歩いてるんだから。髪飾りが発光してるし。 ふつうに考えたらジロジロ見られると思うんだけどな。 チンピラに絡まれた時も、服装については何も言わなかった。 「おじょーちゃん凄いカッコしてんね!」「露出狂かぁ? ギャハハ」 みたいな感じになると思っていた。 映画を見た後、早川書房から出ていた小説版を読みました。 作者はSF作家、八杉将司。 ストーリーはほとんど同じです。 しかし、いろいろ細かい説明やシーンが付け加えられていました。 私の心を読んだかのように、ツッコミ対策がなされている。 まあ、私の頭で考えつく程度のことはSF作家ならば当然想定済み、なのでしょう。 たとえば、「なんで攻撃隊は上昇中のロケットを攻撃しなかったのか?」は、「たった二人で攻撃隊の半数を撃破したアンジェラたちの強さに震え上がってしまったから」「セッターが置き土産としてネットワークを撹乱したので、ディーヴァは大混乱に陥ってロケットを攻撃するどころではなかった」 この二つだそうです。 細かいツッコミ対策だけでなく、大テーマ「人間の定義」「電脳世界の是非」も、少しだけ詳しく書いてある。(作品の印象が根本的に変わるほどではない) やっぱりこの作者、八杉将司も「もっと掘り下げたい」って思ったのかな? PR すっかり冬の寒さですね。 私は主に夜勤ですから、息が真っ白になるのがデフォ。 ああ、オリオン座とシリウスが綺麗だなあ。 あまりに寒くなったので、勤務中はコートを着てます。 昨日ついに、ハクキンカイロを引っ張りだしました。 燃料入れて点火するのは、ワクワクするよね! しかし…… コンビニで燃料(ジッポオイル)買おうと思ったら、なんか妙に高くなってるんだけど。 去年は380円だったものが500円になってる……? 俺の記憶違い? もちろん100円ショップには値段4分の1くらいの激安燃料が売っているが、ネットの情報だと、ああいうの使うのはあんまり良くないんだよね。 でも少し使ってみるか。 山本弘がアニメ「SHIROBAKO」を褒めていたので、観てみた。 う、うん、これは面白いね…… アニメつくるのってほんとに大変なんだなあ…… 個人的に「おっ」と思ったのは、主人公のあおい(制作進行)が、トイレの中でも携帯電話もってることね。 「いま、この瞬間、電話が来るかもしれない」「それに対応できなければいけない」という、強迫観念レベルで気を抜けない仕事! あおいはあんなに頑張っているのに、無能で反省しない奴もいる。なぜか罰せられないのがムカつく。ツインテの子に殴られろ! まあ「無能な人間でも使いこなす必要がある」「クビにしたら回らない」現場なんだろうなあ…… 「面白いけど、これ楽しんでみていていいものなんだろうか?」という気がする…… 「構造的にどこかおかしくて、しわ寄せがグワーッときてるのに、現場の人間が死に物狂いで補っている」って、どうなんだろうなあ……感動で済ませちゃっていいものかな…… で、山本弘がとくに褒めていた第2話「あるぴんはいます!」。 うん、これは凄い。 ネットでは「監督は無能」という声もあり、「土壇場で設定を変えられたら、確かに困るだろうなあ」とは俺も思うけど、でも監督がキャラについて思い入れを語り、テンションマックスになって「あるぴんはもうここにいるんだよ!!」「いるよな! いるよな!」とか口走るあたりは、手に汗握った。 監督、キモチ悪いけどカッコイイ! 1話のピンチは「無能が原因」だけど、2話のピンチは「こだわりが原因」だから、こっちは感動しちゃっていい! うん、いい! こだわりが極限まで行くと、放映当日にまだ完成してなくて、パズルみたいにつなぎ合わせ、直しながら放映する(らしい)、手塚治虫のアニメみたいになるけど……w 今期は、ほんとうに面白いアニメが多いなあ…… ぜんぶ見たら生活がメチャクチャになってしまうけど、誘惑に勝てない 「七つの大罪」はアクションもギャグも「少年漫画の黄金期!」という感じでスカッとするし。 ネットで右翼アニメとか言われている「結城友奈は勇者である」も面白い。 どのくらい右翼なんだ? 瞬殺無音・戦術神風か? って思って、観てみたけど、こんなんで右翼って言ってたら覚悟のススメとか読めませんがな。 東郷さんのキャラを立てようとして軍国ネタ入れてるだけじゃない? じっさい面白い子になってるし。 でも相対的に、キャラの濃さ・掘り下げが、 東郷さん>にぼし>姉妹>主人公 になっていて、主人公の個性が感じられないというかなんというかw 戦闘シーンとかの作画も気合が入っている、2話あたりがとくに「工夫をこらしている」という感じで惹きこまれるよね。 「まどか☆マギカ」と比較する声が多いけど(とくに、1話や2話では多かった)、ある意味では「まどか☆マギカよりも正攻法でハイクオリティーを目指している、路線が違う」のではないかな。 私は主題歌の「真実ほど残酷なものはないのだろう」という歌詞にワクワクして、「どんな残酷なドンデン返しがあるんだろう、やっぱ神樹様こそ悪なのかなー、女の子たちが神樹派と大赦派に分かれて殺しあうのかな」と思っているんだけど、「鬱展開とか闇堕ちはもういい、ふつうに楽しませて欲しい」という意見もあるみたいですね。 パターン破りが逆にパターン化している、みたいな。 富野監督の新作「Gのレコンギスタ」を見始めた。 いちど文明が崩壊してやり直したから、なんだろうけど、妙にクラシックな建物や服装と、モビルスーツや軌道エレベーターのような未来科学がいりまじった、不思議な世界が魅力的。 まだストーリーは始まったばかりでよくわからないけど、戦闘はいい。普通のロボットアニメとはちょっと違っていて、地味といえば地味なんだけど、ボクシングに対する柔道みたいな、普通のロボットアニメとは違うルールで戦っている感じで、面白い。 ダチョウみたいな乗り物は、胃世界観を出そうとして作ったのかな。 いくらなんでも乗り心地悪いでしょ、あれw あと、最終的に金星が舞台になるらしい、というのも興味深い。 いままでのガンダムは、木星から核融合燃料を持ってくることで文明が成り立っていたけど、こんどの世界では核エネルギーが否定され、フォトンバッテリーで文明が成り立っている。そのフォトンバッテリーは金星で作っているらしい。 光エネルギー文明に変わったんなら、金星が重要になるのはわかる。太陽の近くで、膨大な光エネルギーが入手できるからね。 金星が舞台のアニメなんて珍しい。どんなふうに描かれるのか興味がある。 |
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