ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 参院選が終わりました。
 ふーっ、自民党が圧勝することは誰もが予想していて、予想通りの結果になっただけですが、それでも現実に見るとガックリしますね。景気や社会保障も気になりますが、児ポ法改悪などの表現規制問題が絶望的展開になったので。

 あとガッカリしたのは……
 山本太郎が当選しちゃったこと。
 当選してほしくなかった。
 「一人くらい反原発政治家がいてもよくない? こないだの衆院選ではほとんど落選しちゃったし……」みたいな意見もありますが、いや、よくない。
 「反原発」以外に売りがない山本太郎が裸一貫から国会議員になったことで、「この人が反原発運動の中心」みたいになっちゃうのかもしれないけど……
 すごく嫌だ。
 なにが嫌かというとですね。
 反原発運動は、多くの点で間違いを犯していたと思うんです。
 山本太郎という人は、「反原発運動の間違った部分」のカタマリです。

 私自身、浜岡原発の反対デモ(即時停止を求めるデモ)とか参加してた人間で、反原発活動家の端くれだったので……
「自分は罪を犯した」と思っています。
 何が罪か? 「原発事故の被害は巨大なものだ」と喧伝することが、結果として罪だった。
 福島の事故から2年、ずっと考えて、「自分の運動は間違っていた」と言えるようになった。
 言わなければいけない。ので言う。

 いま手元に

 「日本を滅ぼす原発大災害」(著 坂昇ニ 前田栄作 監修 小出裕章)

 という本があります。2007年発行です。
 帯には「原発震災で東京・大阪・名古屋が壊滅する!」「日本の原発は世界一危ない!」とショッキングなことが書かれています。
 内容も帯同様。浜岡・福島・刈羽原発などがいかに危険であるか力説している。
 いわく、細かい事故が頻繁に起こっている。
 いわく、事故は多くが隠蔽・矮小化されている。
 いわく、現地の人間はカネで飼いならされ、原発に依存せざるを得なくなっている。
 いわく、多くの原発労働者が被曝し病に苦しんでいる。
 いわく……「事故が起こったら100万人、200万人が死ぬ」。
 そう、この本には「何百万人の死者が出る」と確かに書いてあるのだ。

 「福島原発事故で首都圏に200万人以上のガン死者が」(43ページ)
 「830万人もの死者を出す原発ドミノ事故」(97ページ)
 「急性死20万人、首都圏で250万人が被曝」(121ページ)
 「玄海原発事故で424万人がガン死」(162ページ)

 私はこの本を信じた。
 この本以外にも、同様の説が書かれた本は何冊もありました。

 「もうすぐ浜岡原発が爆発して何百万人も死ぬんだ」。

 ハルマゲドンのような感じで信じていた。
 この本が出版されてから4年後、現実に福島原発事故は起こりました。
 が……どう見ても、どう考えても、「首都圏で200万人以上のガン死者」は出ていません。
 200万人どころか、原発事故の放射能が原因だと医学的に言い切れる死者は、「幸いなことに」、いないようです。
 あの人もこの人も、もしかしたら放射能が原因で死んだかもしれない、違うと言い切れるのか、などという論法には私は与しません。

 この本に書かれていた「原発事故の被害」は、とんでもなく過大な見積もりだったと言わざるを得ません。
 
 これからも反原発運動を続けるのは自由です、意義のある活動だと思います。
 もっと大きな事故が明日にも起こるかもしれませんし、事故以外にも原発の問題点はありますから。放射性廃棄物の安全な処理法がないとか、原発労働者の被曝問題とか……
 でも……「我々は、原発事故の被害の大きさについては、間違った予想をしていた」「原発は、少なくとも我々が主張していたほど危険なものではなかった」と認めて、その新しい認識の上で運動を再構築しなければいけないと思うのです。
 私はこの本の内容をまったく疑わなかったことを恥ずかしく思っています。
 愚かなことだった。
 認めるのに2年かかり、そのあいだずっと、「やっぱり被曝の死者はどこかで出ているのでは? ゼロってことはないでしょう? やっぱり危険には違いないんだよね?」とフラフラしていたが……
 そりゃ死者の中には、もしかしたら放射線が影響を与えた者もいたかもしれないが、仮に出ていたとしても、死者200万人と200人、20人ではまるで話が違ってくる。しかも20人すら「出ている」と立証できない。「かも」「かも」という可能性の話だ。
 「200万人のガン死者」と「低線量でも健康被害はあるかも」は違う。違いすぎる。
 根底から別次元の話だ。
 やはり、この本は……この本に代表される「甚大な被害を前提とする反原発論」は間違いなのだ。
 間違いだと2年間認められなかったことを恥ずかしく思います。
 申し訳ありませんでした。

 でも、インターネット(ツイッターなど)で反原発論者の発言を見ていると、恥ずかしさを感じない人も大勢いるらしい。
 そういう人達は自分の間違いを認めるどころか、あくまで正しいと言って陰謀論を唱える。

 「原発事故の死者はたくさんいるはずだ」「福島はもっと汚染されているはずだ」「福島は人なんか住めない」「きっと奇形児がどんどん出てくるぞ」「ほんとうはすでに出てるんだ」「隠蔽されているんだ」

 そして風評被害を果てしなく拡大させている、いいや、風評被害という言葉は軽い言葉だ。
 「放射能差別」「福島差別」「東北差別」を拡大させている。
 だって「科学的根拠は示せないけど、危険に決まってる、怖い、気持ち悪い、近くに来てほしくない、触るのも嫌だ」って、そんなの差別意識以外の何物でもないじゃないか。
 反原発運動は、少なくとも今回の事故に関する限り、誰も救わず、差別をもたらした。
 原発事故以上の悪ではないか、と言う気持ちすら沸き上がってくる。
 
 山本太郎は、そういう人達の筆頭だ。

 原発以外では、素晴らしいこともたくさん言ってるんだけどね、彼。

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