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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 「ばくおん!!」9巻を買ってきて読んだ。
 うーん。このマンガで、ガチのレース展開をするとは思わなかった。
 いや、3巻でもレースはやってるんだけどね。
 あれは明らかに遊びで。
 そうじゃなくて9巻のは……
 ところどころに、脱力するギャグはあるものの、描写が本格派バイクレース漫画。
 トップウGPかと思ったぜ。
 話もハードだぜ。
 レースとは何か。
 バイクで走ることとは何か。
 それを問い直す物語であり。
 中野千雨、再生の物語。
 あまりに速いがゆえに孤独で、「それで良い」と他人を切り捨てていたライダー「中野千雨」が、いちど父親から見捨てられ、ダメな先輩たちとチームを組んだ。
 さんざん足を引っ張られ、千雨自身も調子が狂って失敗して。
 でも、その中で、仲間たちと一緒に走る喜びを知る。
「勝って当たり前のマシーン」から「勝ちたい、勝たなきゃとあがく人間」になり、走ること、競うことの喜びを再獲得するという、わりとマジな話で……
 「お、オチは? ドッチラケなオチがあるんだよね?」と不安になりながら読んで。
 最後で、「ああ、これはネタに逃げることのない、本当に感動して良い話なんだ」と気づいた。

 これまで千雨は、「エンジョイ勢の中で、一人だけガチ勢」というか、『勝つために走る』人なので、空回りするギャグキャラだった。浮いてるから面白いキャラだった。
 でも、もう違う。

 それにしても、150万部突破か。
 大したものだ。
 もしかして、もう「けいおん!!」の部数超えてるんじゃないの?
 いま検索したら全然超えてなかったわ―。けいおんは250万部だってウィキペディアに書いてある。
 でも、ばくおんはまだ伸びるだろ。きっと超えるよ。
 いや、超えたから偉いわけじゃないけどね……
 けいおんのパロディ以外の何物でもなかった(特にロゴw)作品が、ここまで来れたことに感動している。
 いや、じっさい読んでみると全然似てねえけどな。
 第一印象を似せているのは「あれ? 似てない」というギャップのためだろう。
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 イゼッタ最終話を見ました。

 面白いかつまらないかでいえば、間違いなく面白かった。

 「俺が見たかったのは3話とか7話の路線であって、魔女対魔女なんて望んでなかった」けど、
 まあ「12話で終わらせるにはコレしか無かった」のもわかる。
 敵の切り札を設定して、それに勝てるか否かという話にすれば短くできるし、
 「魔女と魔法を終わらせることで憂いを断つ」という終着点を先に考えていたとすれば、敵は科学的兵器であるより、同じ魔女であったほうが良いと思う。
 イゼッタとフィーネ様はお互いに理解し合い、深く敬愛しあっていたから。でもゾフィーと大公は結局そこまで愛し合えなかった。明確に「真の愛が勝つ話」として、よくまとまっていたと思う。
 大公マティアスがゾフィーに直接、死んでくれって頼んでいたら「裏切られた」という話にはなってないよね。それができないのが大公マティアスの限界だったんだよ。ゾフィーは「私は死人だからすぐ死んでもいい」って言ってたくせに、土壇場では「あれだけの魔力を結晶化したら死ぬ」ってビビりだしたし。結局ゾフィーとマティアスの間には、イゼッタとフィーネのような固い絆は無くて、一人よがりなものだった……という話になっている。
 男女の愛なんてダメだよね! キマシがすべてを解決する。いやマジで。

 突っ込みたいところは山ほどある。

 3話とか7話みたいな、近代兵器相手の激戦をあと1回くらいやってほしかった。
 とくにパイロットの人の存在意義が怪しい。新型戦闘機マジで何だったの……
 クローンは遺伝子が同じだけで、単なる一卵性双生児なのに、なんで初代ゾフィーの記憶を持っているのか。
 なんでイゼッタの血を飲ませると覚醒したのか。
 死者の霊が宿った、生まれ変わった、ということなら、それも立派な魔法で、ある意味では魔女の力よりも利用価値がある。
 レイラインを枯渇させて自然に悪影響は出ないのか。地下水ですら地盤が陥没するのに。レイライン=大地の生命力? なら、世界中の作物が枯れて大飢饉になるのでは。レイラインが何なのかわからない。
 
 他にも、いろいろ……
 なんでクローンに生前の記憶があるのか、という点は、やっぱりはっきりさせて欲しかったなあ。一番首を傾げるのはコレです。どうにもおかしくないですか。

 でも、まあ。
 なんだかんだいって感動したから、俺の負け。
 最終話で、ドラゴンボール並の空中戦闘しながら愛について叫ぶイゼッタは格好良かったよ。
 魔法というのは「念動力」にすぎない、という描き方も抑制が効いていてよかった。直接ビームやバリアを出すことは出来ない。何かを動かして投げる。あるいは何かを盾にする。それがよかった。

 全26話にして、途中はずっと近代兵器相手の戦いにして、最後の切り札としてゾフィーが出てくる、という展開にすれば、このアニメは完璧だったのでは。それだけあれば敵側のドラマも掘り下げられるし、コメディ回とかも作れそうだしな。

 私が面白いと思ったのは、「あにこ便」というサイト上の、この意見。

 今回の姫様の台詞、「イゼッタが勝った場合・・・・・・その時こそ、私はその場(講和会議)にいなければならない」は上記二つの「裏切りとその報い」を示して「世界の脅威となったイゼッタ」を守る為だ。魔女であろうとなかろうと、勝利の功労者を裏切れば、いつの日にか必ずその報いを受けることになる。今イゼッタを謀殺して脅威を排除しても、何十年か後、復讐鬼と化したイゼッタを黄泉返らせる者が現れるぞ、と恫喝する為に「その場にいなければならない」わけだ。「ゲールを倒してもイゼッタが人類の敵になってしまう、バッドエンドしかない」と予想した(不穏な気配を漂わす演出にミスリードされた)視聴者に対する、作り手からの回答がこれだ。「確信したよ、もうハッピーエンドしかないと」

「勝利の功労者への裏切りとその報い」をこれだけ用意しておいて、「ゾフィーとイゼッタが共倒れ」だの「新型爆弾を処分する為にイゼッタ特攻」だのといった陳腐な結末にしたら、それこそ伏線無視の粗雑な展開というものだ。魔女vs近代兵器の構図を望み、敵側の魔女が出てきたことに落胆した諸君には悪いが、魔女vs近代兵器の構図のままイゼッタがゲールを倒してしまえば「人類の敵・魔女」のバッドエンド直行ルート。ゾフィーは「裏切られ復讐に奔った魔女」の恐ろしさを提示し大団円へとつなげる為には必要なキャラだったのだ。


 これは最終話の1話前に出てきた意見で。
 なるほど、「魔力を消滅させる」展開でなくて、「イゼッタをゾフィーのような復讐者にしてはならない」と演説する展開もあったのか。
 敵が近代兵器のままだとイゼッタが人類の敵になってしまう、というのは、確かにその通り。
 だから私も最初は、「イゼッタが世界中から攻撃されて、姫様と一緒に死ぬ」みたいなエンドを考えていた。それはそれで私の好み。
 展開に粗もあるけど、ゾフィーが出てきた事自体は「仕方なかった」のだな。
 でもなんでクローンに記憶があるの?w
 それだけはちょっとなんとかしてくんないかな……

 イゼッタが終わった。
 まだ最終回は観てないけど……
 面白いけど。
 これは私の見たかったものではない。
 私は、あくまで「強大な軍事力相手に魔女が孤軍奮闘する」のを見たかった。
 敵側にも魔女がいて、愛の魔女vs憎しみの魔女。通常兵器の出る幕はない、という展開は興ざめだ。
 新型戦闘機とか全く意味無いじゃん。
 でも、普通に戦争していたら12話で終わらせることは出来ないだろう。
 ゾフィーは、話を終わらせるために出てきたのかな。


 カクヨムで、他の人はどんなものを書いているのか?
 どうやってアクセスを上げているのか?
 いろいろ参考にしたくて、SFを中心に読んでいる。
 プロの人もショートショートをたくさん発表しているなあ。
 さすがに面白いなあ。
 これに勝たないと上位には行けないのか……

 で、いろいろ読んでるうちに「これは面白い!!!」って断言できる作品に出会った。

「The video game with no name」!!

 凄いよ。
 17万アクセスの大人気は伊達じゃないよ。
 2115年に作られた「ゲーム紹介サイト」という設定なんだけど。
 語り手が、愛をこめていろんなゲームを紹介していく。
 未来のゲームを!
 なるほど、こういうゲームがあり得るか、というアイディアに唸らされる。
 断片的に語られる未来世界がメッチャ重厚でリアルで。
 「人間とは何か? 心とは何か?」という永遠のテーマに深く切り込んでるし。
 おまけにユーモアがあって、涙あり笑いあり。
 「小説じゃない形をとった小説」という変化球だけど、でも超弩級の豪速球SFでもあるのだ!!
 これ書いたの何者? ほんとプロじゃないの?
 
 第2話の「Accia」はゲームプレイ用アンドロイドの物語。
 第6話「Afterlife」は「死んじゃったバーチャルペットのための天国」というもの。
 この2つが噛み合って、泣ける物語になる……

 なんかもう、言葉を尽くして語りたい。
 でもいくら語っても足りない気がする。
 そのくらい世界の広がりがあるし、いい話でもあるし。作者のゲーム愛、狂気に近い情熱を感じる。ほんと素晴らしい。

 「エル・ファシルの逃亡者」を最新話まで読んだ。
 これです。

ttps://novel.syosetu.org/46040/96.html

 いやあ、これ凄いわ。
 「銀英伝」は高校生くらいの時にハマって、なんども読み返している。
 一、二を争うほど好きな小説なんだけど。
 荒削りな所はあるけど、この小説は、ある意味では「本物の銀英伝」以上に凄みを秘めているよ。
 原作読んで不自然に思ったところは設定が追加されてフォローされてるし。
 同盟の政治や経済について細かく描きまくりで、「なるほどそういう国だったのか」と感心することしきり。
 主人公は「未来の知識」を活かしてチートしてるわけではない。「前のダメだった人生」を徹底的に反省して、そこから学ぶことで超人になっているのが凄い。転生モノではこういうのも結構あるのかな?
 ヤン・ウェンリー神話が解体される過程が面白い。
 ヤンと主人公の違いを
「自分たちは金を出してくれる政治家、つまりスポンサー重視の戦争をしている。いっぽうヤン達は兵士の命、つまり従業員重視の戦争をしている。どちらも間違いとはいえない」
 みたいに、さらっと解説している。
 おお、と、世界が広がった気がした。原作でもヤンを批判する意見は出てくるけど、基本的にはユリアンなど支持者の視点だから、結局そこに描かれているのは、神格化された英雄なんだよね。
 そのヤンの神格化を(悪い設定を追加して貶めるのではなく)、みごとに解体して、ヤンに対立するトリューニヒト派のことも血肉の通った魅力ある存在として描いている。
 そうだよなあ。
 死に物狂いで努力して、ようやく一流になっている人間からすれば、怠惰でも一流の結果を出せるヤンは、「なぜもっと努力しない!!」「お前があの時、もっと頑張っていれば」という苛立ちの対象だよね。

 もとの銀英伝とぜんぜん違う展開になっているので、これから先が読めないし……
 ラインハルトは銀英伝本編ほど活躍してない。
 モチベーションが低いんだろう。
 キルヒアイスは生きてるし、お姉さんは自由になったし。
 我武者羅に、宇宙の覇者となる理由はない。
 だから旧体制の中の、単なる優秀な軍人。
 同盟は帝国に侵攻して、首都オーディンまで落とした。
 とんでもない大勝利だ。
 ところが民主主義を根付かせることは出来ず、反発を呼んだだけで、膨大な戦費と人命損失に耐えられなくなって撤退した。何も得ることが出来なかった。責任を押し付けあって壮大な内輪もめが連続する。
 これはある意味、もとの銀英伝の、「同盟そのものが潰される」という展開よりも酷い。
 「帝国に勝つ」という目的を、ある意味ちゃんと果たしたのに、それでも帝国の人々は民主共和制を受け入れてくれなかった。自分たちの思想は正しくて、帝国の思想は間違っていて、帝国国民は間違った思想の犠牲者で、我々が解放すれば喜んでくれる……はず、だったのに……
 物理的ではなく思想的敗北だ。
 自由惑星同盟の存在理由、いままで250年間やってきた目的が「もしかして意味ないのでは??」と、崩れてしまったのだ。
 これからどうするのか……
 「社会主義国家のように、力づくで思想や政治体制を押し付ける」というのは、同盟にはできなかった。それをやってしまったら民主共和制の自己否定だからね。
 その矛盾を解決する理屈を生み出して国民に納得させるか。
 あるいは「帝国を打倒して銀河連邦再興」という目的を捨てて、一から目的を構築し直すか。
 できるのか……
 できそうにないんだよね。この作品は、登場するどの意見・勢力も、一理あるものとして描いているから。作品全体として「これが正しい。ハイ結論」って言えそうな作品ではない。

 深い、深いわ―。


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