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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 仕事が減ったのでますます貧乏に……
 ヤバイヤバイヤバイ……
 どうやら、1週間1万円生活をしないと、家賃が払えない。
 え? 余裕ですって?
 交通費も含めて1万円ですよ?
 現場まで電車移動すると週に5000円くらいはしますから、電車移動はできないってことです。
 バイク移動ならなんとかなるでしょう。1週間で300キロ走るとして、ガソリン代は1300円くらい……それでもキツイな……
 外食できない。コンビニ弁当も買えない。休みの日は自炊。仕事の日はオニギリを買って我慢。
 牛丼屋やラーメン屋のそばを通り過ぎるたびに、空腹感が蘇ってきて苦しむ生活になる。 

 新しいバイクを買うために貯めていた小銭貯金を、解き放つ時か……?
 でもそんなことやってると永遠にバイク買えないんだよね。
 なんで俺、バイク一台買うのにこんな苦労してんのかね。
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 昨日は休みで、昼過ぎに雨がやんだ。
 唐突に「ツーリング行きたい!!」と思った。
 本当は東京湾をフェリーで横断して千葉を探検したかったが、カネ的に数千円かかりそうだし、昼からでは時間も足りない。
 午後だけで行けるところといえば……たとえば奥多摩!

 青梅駅について「昭和レトロの町」を見物し、そのまま青梅線沿いに走って奥多摩駅を通過、さらに山奥へ。奥多摩駅は奥多摩の入り口にすぎないんだよね。
 奥多摩湖意外とでかい。
 ここまではよかったんだけど……
 そこから先、奥多摩周遊道路が……
 東京を代表する峠道で、楽しみにしていたのに……
 もの凄い霧が立ち込めていて。
 視界は50メートルくらいしかない。
 「見晴らしが良いはず」の駐車場から下界を見ても、ジャガイモスープみたいな真っ白が見えるだけ。
 ヘルメットのシールドや眼鏡が水滴だらけ。拭っても拭っても、後から後から水が……でも服は濡れない。不思議!
 そんなわけで怖くてとてもスピードなんて出せないので、ノロノロ運転しました。
 走り屋が猛スピードで突っ込んできたり、煽ってきたら嫌だなー、と思ったけど、私以外誰もいない(笑)。
 周遊道路を登り切って、下って、檜原村に入ったあたりで霧が晴れた。
 
 うおー、檜原村、いいね、雰囲気いいね。
 いかにも田舎という感じで、山の中の曲がりくねった道沿いに、昔話みたいな古めかしい家がポツンポツンとある。畑すらない、山、森、切り立った岩を流れ落ちる、美しいせせらぎと、滝。
 茅葺の家まであるぞ! そんな古い家が、旅館だったり、キノコ鍋の店だったり、喫茶店だったり……
 もちろんコンビニやスーパーみたいな現代的な店はない。本当に1軒もない!
 ここで生活してる人は、食べ物とかどこで買ってるんだ……?
 たまーに自販機なんかがあるけど、周囲から浮いていて、タイムスリップしてきたように見える。そのくらいの異世界だった。
 凄い凄い、来てみるもんだな、とはしゃぎながら、檜原村を走り回った。
 工事をやっていて、警備員が片側通行しているのを見かけた。驚いた。さすがにここまでの田舎に、仕事で来たことはない。いや一度だけあったな、道志村とかに……まあとにかく、ここで働くのは大変だろ。
 比較的現代っぽい建物もある。温泉施設。ちょっと小さいけど、スーパー銭湯みたいな感じの施設がある。でも行った時はもう遅くて、ゆっくり風呂にはいる時間はなさそうだったので、入浴は諦めました。
 食べ物屋は、営業してないところが多いです。平日だからでしょうか。腹が減りました。
 やっとウドン屋を1軒見つけて夕食にしました。
 うん、なかなか美味い。
 飯も食ったし、日も暮れて景色が見えなくなったし、もう帰るか。
 そこからが大変だったんですよ、道路を勘違いして遠回りしちゃって。
 でもソロツーリングでは、道に迷っても誰にも迷惑かけない。迷子も楽しみのうちです。
 いっそ、地図を見ないで勘だけで帰ってみるか? と悪乗りして、迷いに迷って帰ってきました。

 奥多摩周遊道路は霧のせいで楽しめませんでしたが、でも檜原村はよかったです。
 異世界に来た!!! という感じで。
 山梨の道志村も楽しいですが、こっちもなかなか。
 今度は午前中から行って、風呂も入りたいですね。
 

 バイクのヘルメットを改造した。
 こんなんで改造とか言ったら、本格的にバイクいじってる人に怒られるけど。

 私のバイクのヘルメットはジェットタイプで、透明なシールドがついてるんだけど、シールドをヘルメットに固定しているツメが欠けてしまって、やたら外れやすいんですよ。
 ちょっとぶつけただけで、風に吹かれただけで、「パカッ」と外れて、ブランブランガタンガタン!
 一日に10回も20回もハメ直す。
 めんどくせーっ。
 新しいヘルメット買えば済むんだけど、カネがない。
 っていうか、なんであんな小さくて弱いツメで固定するんだ?
 太さ1センチくらいのボルトをズドーンと刺せばいいじゃないか!
 腕時計のバネ棒にも同じことを思うけど。リュックの紐がひっかかっただけで腕時計を壊したことが何度もあるよ……
 まあ腕時計の話はいいや。
 それで「改造しよう」と思い立った。
 シールドの横部分に穴を開けて、ボルトとかを穴に入れて固定する。
 素人が開けた穴だから寸法が正確じゃなくて、多少はガタガタするだろうけど。
 そんなわけで、ドリルとヤスリを買ってきた。
 小さな穴を開けて、棒ヤスリを突っ込んで拡大する。
 よーし、途中でドリルを壊しちゃったけど、穴はちゃんと開いたぞ。
 ヘルメット側面にボルトが生えてるけど、短いボルトなので、これで直接シールドを固定することは出来ない。シールドまで届かない。
 ボルトに針金を結びつけて、シールドの穴に通して……
 よし! 完成!
 かぶって一時間ほどバイクで走ってみた。
 多少カタカタという音はするが、この程度なら平気。

 いかん。
 預金口座などを確認したら、合わせて5万円程度しかない。
 あとは小銭貯金が1万5000円と、財布の中の万札が1枚。
 2ヶ月前は25万円くらいあったのに、ほぼスッカラカンに……
 病気と泥棒で全部失ってしまった。
 あと1回、病気になったらホームレスか?
 いかんいかんガルパン買ってる場合じゃなかったわ。
 かえすがえすも、サスペンション泥棒が憎い。

 大丈夫、カネはまた貯められる。
 俺は「全財産が900円でメシ抜き、電気も電話も止められた、家賃も滞納」という状況を何度もくぐり抜けてきた! ……そんな状況に陥ること自体がダメだが……

 オイルの交換時期だったのでバイク屋に行った。
 すると「Vベルトとエアクリーナーフィルターも交換しよう」って言われた。
 そういえばベルトは確かに交換時期だな……切れたら怖いし、今のうちに替えるか……
 でもカネがないしな……
 うーん……えい! 迷ったら突撃! 
 というわけで交換を決めた。
 交換作業の間、バイク屋に停めてあるバイクを色々見た。
 うおー、カタナ1100があるわー。
 35年前のバイクなのにピカピカで新車みたい。
 となりに今のGSXS1000Fが置いてあるので、昔のGSXであるカタナと比較できて、面白い。4気筒のロードスポーツバイクという同じジャンルなのにぜんぜん違う。
 今のGSXと比較すると……
 カタナはデカイ。ハンドルが遠い。車輪がでかくて細い。
 四角くてゴツい、太い、1980年代前半は四角いのが流行ったのだなあと。
 80年代後半になると「2つの丸い目」が流行って、また変わってくるんだけど。

 で、カタナ1100でも十分に「珍しい物を見た」という感じだったのですが。

 店の一角に「スズキ・グース」が置いてあるのを見つけました。
 おお。珍しい。
 この独特のパイプフレーム。タンクの曲線は何者にも似ていない優美な芸術だ。
 そしてエンジン底の巨大な出っ張り、オイルパン。スズキが誇る油冷エンジンは、膨大なオイルを使ってエンジンを冷やすから、こんなに巨大なオイルパンが必要なのだ。
 どっしりこってりしたカタナとは逆で、さらっとしたデザインだけど、よく見ると「他の単気筒とは違うぜ!!」という味わいの塊。「ツン!」と尖ったお尻は、あの時代のネイキッドとしては異端で、むしろ現代っぽいデザインだよね。
 いいねえ、ホンダも単気筒だったらCBRじゃなくてこんな感じのライトウェイトネイキッドを作ってくれれば……くれれば……
 うん? このグースおかしくない?
 グースってフロントが倒立サスペンションのはずなのに、これ倒立じゃない、普通のサスだ。
 オイルクーラーもついてないような?
 後ろに回りこんでナンバープレートを確認。
 ゲェー! これ350ccじゃない! グース250だ!
 信じられない……超レア……
 350は何度か見たことあるけど250は初めて。
 「グースは250もあるらしい」という知識はあったけど、ほとんど売れてなくて、街で見かけることなんてあり得ない希少車……

 うん、凄いものを見た。
 バイク屋に行ってよかった。
 
 追記
 いまウィキペディアで「スズキ・グース」の項目見たら、「オイルはドライサンプ方式になっており、エンジン下部にはオイルタンクがある」って書いてある。
 へぇー。あれはオイルパンじゃなくて、オイルパンに見えるけど、エンジンとは別体のタンクなのか。そっちのほうがオイル冷えるってことですかね。ふつうオイルタンクって、もっとエンジンとは離れた場所に付けるもんだと思っていたけど。
 


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