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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 森岡浩之「星界の戦旗」6が出たので、買って読みました。
 そんなバカな、出たのか。という感じ。

 星界シリーズ!
 1996年に始まったスペースオペラ小説。
 きっちり作りこまれた世界設定と、ユーモア溢れる会話で、当時はベストセラーになった!
 もしこれがたくさん出ていれば、銀英伝を超える人気を博し、スペースオペラこそライトノベルの本流になり、ライトノベルの歴史は全く違ったものになっていた! ……かもしれない。
 こんなにもったいない小説はない。
 もし作者が遅筆ですらなければ……

 星界の紋章1、2、3巻 1996年
 星界の戦旗1巻 1996年
 星界の戦旗2巻 1998年
 星界の戦旗3巻 2001年
 星界の戦旗4巻 2004年
 星界の戦旗5巻 2013年
 星界の戦旗6巻 2018年

 このスローペース……
 4と5の間なんて9年ですよ。
 この9年の間に、ハルヒが人気となり、ライトノベルが学園中心になり、その時代も終わり。
 エヴァ新劇が3本公開され。
 スマートホンが生まれ、リーマン・ショックがあり、大震災があり……時代が移り変わってしまった。

 面白いんですよ、少なくとも私は夢中で読んだんですよ。

 遠い未来、宇宙探査用に創りだされた、不老長寿の人工生命「アーヴ」は巨大な帝国を築き、銀河の半分を支配していた。しかし人工生命に統治されることを望まない人々もたくさんいて、「人類統合体」などの国家を築いて対抗していた。
 主人公の少年「ジント」は、地上人(アーヴではない、普通の人間)でありながら、数奇な運命によってアーヴ貴族となってしまった。
 肉体的にはまったくアーヴじゃないのに社会的にはアーヴのエリート。地上人からもアーヴからも白い目で見られる立場に困っていた。
 ジントは一人前の貴族になるため学校に向かい、迎えに来たアーヴの王女「ラフィール」と運命的な出会いを果たす。
 まさにその時、「人類統合体」がアーヴ帝国に侵攻。銀河大戦が始まってしまう。
 ジントとラフィールは、的に占領された惑星で必死にサバイバルする……
 SFであり、サスペンスであり、ドタバタコメディとしても一級品!!

 というのが、シリーズの一番最初、「星界の紋章」。
 このときだけは筆が速く、矢継ぎ早に3冊出た。

 続編の「星界の戦旗」は、軍人になったラフィールとジントが、軍艦に乗って「人類統合体」に立ち向かう物語。アーヴ帝国内部の情勢も細かく描かれ、果たしてラフィールは皇帝になれるのか、皇族として勝ち残れるのか、というのも大きな問題になる。
 そして、ジントとラフィールの関係の変化。
 肉体的にはアーヴではなく、自分は本当にアーヴなのか疑問を抱いてきたジント。
 だが、戦旗3巻で、故郷の人々と対峙した時、彼はついに覚悟を決める。
 裏切り者と言われても、まがい物と言われても、それでもアーヴとして生きる。
 帝国のためでも、自分のためでもなく、愛するラフィールのために。
 
 このへんはすごく良かった。
 
 で、人間ドラマ面では3巻でだいたいキッチリまとまったのです。
 その後の4巻5巻では、戦争面での大きな出来事が起こります。
 有利に戦争を進めてきた「アーヴ帝国」ですが、中立のままだった仮想敵国「ハニア連邦」が偽装降伏で帝国を騙し、その隙をついて帝都を奇襲! 戦局がひっくり返りました。
 5巻では絶望的な防衛戦。ラフィールは帝都を守るために戦いたいと願いますが、下された命令は、「帝国宝物」と呼ばれるものを運び出すことでした。アーヴにとってもっとも大切な、宗教的な価値を持つものを持って逃げろと。それがあれば皇帝が死んでも帝国は復興できる……!
 ラフィールは涙をのんで命令を遂行します。
 帝国宝物は守られましたが、帝都は陥落、皇帝も戦死、強大だったアーヴ帝国は領土の半分を失いました。
 まさに絶体絶命の状態で、5巻は終わります。 
 そして作者が「第一部完」って言いました。
 これはもう……出ないよな。
 諦めよう。
 そもそも4巻~5巻が9年あり、僕なんてここで「もう出ない。忘れよう」と諦めていました。
 そのうえ第一部巻って言われたらね。

 ところが出たんですよ! 続きが! 6巻が!

 肝心の内容ですが。
 帝都陥落から10年たちました。
 劣勢ではありますが、敵の足並みが乱れ、戦力も消耗しきっているため、なんとかアーヴ帝国は滅亡を免れています。
 皇族の大部分が戦死したため、皇太子・帝国元帥となって強大な艦隊を率いるラフィールの闘い。
 えんえんと、闘い……
 人間ドラマやユーモアの部分は、ゼロではないが、極限まで削られている。
 もっと軽口の叩き合いを読みたかったな……
 とくにスポールから機雷ぶんどってくるあたり。

 戦争ばかりで読むのがつかれた。もっと人間ドラマを描いてほしい。
 間が開きすぎて、登場人物の大部分を忘れている。お前誰だっけ?

 このふたつが感想ですね。
 6巻単独では、はっきりいってつまらなかったんですが、「これまでの話を読み返してみよう」という気分にはなりました。
 っていうか、こんなに間が開いても出版してくれるなんて、読んでくれる読者がいるなんて。
 森岡浩之は幸せもんですよ。
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 アニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、最初のうちはピンと来なかった。
 ウテナ風の闘い「オーディション」が何を意味するのか、負けたら何を失うのかよくわからなくて。
 あと、主人公の動機「幼なじみの女の子と一緒にスターになりたい」というのが、なんだか感情移入できない、ぼんやりとしたものでさ。
 第2話で戦ったメガネの子の動機、「ガリ勉だった自分が、演劇のすばらしさを知って舞台少女に生まれ変わった。親の反対を振りきって演劇学校に入ったので、何が何でも実績を出さないといけない」というのが、胸を打つものだったので、それと比較してさ。
 
 でも4話で主人公と幼なじみの絆が明かされ、5話、6話と、他の人間関係が濃密に描かれていき、「ああ、主人公を中心に見なくても良いんだ」「他のキャラに感情移入すればぜんぜん問題ない」と、楽しみ方がわかってきた。
 色とりどりの百合を愉しめばよいのだ。

 5話でオーディションを露骨にギャグっぽく描いたのも新鮮で面白かった。
 6話は特にいい。
 才能はあったのに慢心しちゃった女の子。その女の子のファンで、ずっと応援してきたからこそ、性根を叩きなおしてやりたいという女の子。
 この関係性好き。
 おっとり関西弁・ヤンキー寸前の男勝りという対称的な喋り方が良い。
 でも、いまどきVT250Fインテグラに乗ってるって……??
 1983年のバイクですよ?
 どこに売ってるのかなあ……
 VT系エンジンは非常に頑丈だから、まあ、どこかに走れるヤツはあると思うが……
 もともとバイクマニアだったわけでもないのに、なぜVT250F?


 最近、ルパン三世PART5の話ばかりしている。
 でも面白いんだ。

 第20話「怪盗銭形」も面白かった。
 ルパン三世が探偵をやったと思ったら、今度は銭形警部が怪盗!

 記憶喪失になって、自分が何者なのか、ルパン三世のことも忘れてしまった銭形。
 たったひとつ覚えているのは、ルパン三世と戦う間に覚えた、盗みのテクニック……
 それを生かして泥棒やって、大活躍。
 ルパン三世さえも出しぬいてお宝を奪ってしまう。
 怪盗モニエタと呼ばれるようになった銭形。
 自分が何者なのか思い出したい。盗みをやっていると、大きなお宝を奪うと、思い出せそうな気がする……
 ルパン三世は銭形を気にかけ、そして、自分が泥棒として負けたことでプライドが傷つき、決着を着けるためモニエタに戦いを挑む。
 そして闘いの中で、モニエタの記憶がよみがえる瞬間が……!

 ルパンと銭形の絆を描いた作品でした。
 記憶喪失にして過去の因縁をリセットすることで、逆に見えてくるものがある。
 ぐっと来るね。
 
 怪盗モニエタやってるときの銭形は、コミカルな演技を控えて格好良く、これはこれでたいへん活き活きとしてる。このままの人生もありなんじゃないかな。きっと幸せだよ。
 でも、モニエタが盗みをやる理由は、記憶を取り戻すためだからね、そもそもの出発点として、ずっと続けることはあり得ない。
 「名探偵ジム・バーネット三世vs怪盗モニエタ」。一度くらいは見たい気がするが。
 
 さて、来週から、オールスターのクライマックスエピソードが始まるぞ!!
 楽しみ!!

「ルパン三世PART5」、やはり面白いです。
 16話でドルマ王女の長いエピソードが終わり、単発のエピソードが3連続。
 推理、コメディ、ガンアクションと、それぞれ脚本家の得意分野をいかしてますね!

 17話「探偵ジム・バーネット三世の挨拶」
 ルパンが探偵を務めるミステリ回!
 でも、これさあ……
 ちょっと無理がない?
 アレだからアレに引っかからなかった、というのは理解できるんだけど。
 電灯が消えて真っ暗になっていた時間は、たったの数秒だぞ。
 短すぎる。あれだけ短時間で、犯行は不可能だろ。
 正確には、犯行を終えたあとの脱出ができない。
 そもそも、いくら暗闇だからって、ルパンなら犯人の動きに気づきそうなものでは……
 犯人は武術の達人じゃないんだから足音もするだろうし。
 やっぱりおかしいよ……
 普段のルパン三世について、「リアリティがない」とか、「こんなの現実的には不可能だよ」って言いたくない。
 でも、今回は言いたいなあ……
 ルパンとか五右衛門は超人として描写されてるから、非現実的なことをやっても気にならないけど、今回の犯人は普通の人だから。

 みんなもそう思うよね? と思って、ネットで17話感想を検索したら、みんな褒めてるんですよ。時間が短くて不可能だとツッコんでる人はいないんです。
 俺がおかしいのか? 俺が話を正しく理解してない?
 
 18話「不二子の置きみやげ」
 これは、だまされた!
 コメディタッチで、便所が壊れる話で、不二子が恥ずかしがっていて、サブタイトルが「不二子の置きみやげ」。
 これ、ぜったい、ウンコのことだと思ったんですよ!!
 不二子がでっかいウンコして便所をつまらせちゃって、恥ずかしいから誤魔化す、というお笑い話だと思っていました。
 脚本家も、ウンコだと思わせるつもりで書いてますよね、ぜったい。
 でも違った。
 コメディ回であると同時に、恋愛回、不二子デレ回だった!
 傑作だと思います。

 19話「7.62mmのミラージュ」
 次元が、因縁あるスナイパー・ミラージュと対決する、ガンアクション回!
 むっちゃ面白かった。
 こういうの大好き。
 激しい銃撃戦で血が騒ぐし、ラストも余韻があって素晴らしい。
 次元わりと近代的なライフル使うんだな。

 というわけで、17話は??という感じですが、18話と19話は傑作!

 白鳥士郎「りゅうおうのおしごと! 9話」を読んだ。
 
 ついに夜叉神天衣(やしゃじん あい)がメインヒロイン!
 おれの大好きな天衣がー!!!
 うおーツンロリちゃんペロペロ!

 とても面白かった。
 でも、なにか、胸に刺さった。
 胸が痛む小説でした。

 竜王・九頭竜八一の弟子、夜叉神天衣。
 わずか10歳にして女流棋士となり、マイナビ女子オープンを上り詰めた彼女。
 「神戸のシンデレラ」と呼ばれる天才。
 女性の中では絶対の強さを誇る、「無敗の白雪姫」空銀子に、ついに挑戦する。

 マスコミも、師匠である八一も、「もしかしたら、天衣なら勝てるのでは」と期待する。
 それほど天衣の将棋は独創的で魅力に満ちていた。

 だが第一戦で、天衣はまさかの反則負けを喫してしまう。
 はじめてのタイトル戦に緊張し、そこを銀子の心理戦に突かれてしまったからだ。
 惨めな敗北に失望するマスコミたち。天衣自身は、それ以上に失望していた。
 わたしはこんなに弱かったの?
 崩れ落ちた自信を必死に取り繕おうと焦る天衣。

 「空銀子を倒す必勝法は、愛だ」

 というアドバイスは、天衣の耳に届かない。

 次の対局でも、天衣はまったく実力を発揮できず叩きのめされてしまった。

 自分の弱さに絶望し、ひとり慟哭する。

 「まだ10歳なんだから、次は勝てるよ」と言われても、なんの救いにもならない。
 だって、愛する両親の思い出が薄れていくから……
 もうひとりの弟子・雛鶴あいが、猛烈な勢いで下から追い上げてくるから……
 私には、これが最後のチャンスかも知れない……

 絶望する天衣を救ったのは、やはり九頭竜八一だった。
 強敵との対決で、将棋の常識でありえない斬新な戦いを見せ、しかも勝った!
 八一は、たったひとりのために、この将棋を指したのだ。
 それを見た天衣は、自分を信じる心を取り戻した。
 第三局では、いままでとは打って変わった鮮やかな新戦術を炸裂させ、銀子を追い詰める。
 なんとか千日手に逃げ込んだ銀子。
 銀子が千日手に逃げたのは、女流棋戦では初めてのことだった。
 「白雪姫」の純白の戦績に、たった一つ灰色のシミがついたのだ……!

 マスコミも女流棋士たちも、「この子はすごいぞ!」「こんどこそ銀子を倒せるかも」と、手のひらを返して応援する。

 指しなおし局で、銀子は予想以上の力を発揮する。
 真っ赤な炎となって追い詰める天衣を、青い炎となって迎撃し、追い詰められていたはずなのに、逆転を果たす。
 覚醒した天衣さえも、一歩及ばなかった……

 結果を見れば、天衣は三連敗。
 でも、大切なものを掴んだ。
 「自分を信じる心」。
 それと矛盾しない、「他人にも支えられている」という気づき。
 他者と交流することを「くだらない」といい、死んだ両親のためだけに指してきた少女が、他者の愛を知ったのだ。
 そして気づいた。自分の気持ちに。
 自分を導いて、救ってくれた師匠、九頭竜八一のことが、好きなんだと。

 「イジワルな伯母や嫉妬深い姉にも絶対負けない。灰にまみれようが泥にまみれようが、粘り強くチャンスを待って最後に勝つのはこの私。竜王の心を手に入れるのは。
 『だって、私はシンデレラなんだから!』」 

 ラストには挿絵がついている。
 挿絵の中で、天衣は笑う。
 子供らしい、大きな口を開けた、明るい笑い……
 こんな天真爛漫な笑い方、いままでの天衣はしなかった。
 
 天衣は活躍した。成長した。自らの恋心に気づいた。

 それなのに、明るく笑う天衣を見ると、なにか胸が痛むのだ。
 普通の女の子になってしまった、ということが、ツライ……
 あと、私が期待していたほどの活躍ではなかった、という点もツライ。
 銀子を普通にぶっ飛ばして女王タイトルを奪うと思っていた。
 あるいは、2対3くらいのギリギリで負けるとか。
 実力伯仲してると思っていたんです。
 まだまだ勝てないんだなあ……

 とにかく、「面白かったけど、俺が読みたかったのは本当にこれなのか……?」「天衣のファンとして、嬉しいような、悲しいような……」
 すごく感情を揺さぶられました。

 雛鶴あいが、ようやく、9巻にしてやっと、天衣にライバル意識を燃やしたのは、よかったです。
 当初の構想に、やっと戻ったといえるでしょう。
 雛鶴あいは、ここのところヤンデレギャグ要員で、将棋指しとしては見せ場がなかったので、がんばって挽回しないとね。


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