ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
こちらです
https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 山本弘の小説「プロジェクトぴあの」を読んだ。 大傑作ですよこれ! 天才科学者の軌跡だ。 アイドル歌手・「結城ぴあの」は、実は超天才。 生まれつき人と違う脳を持つ。人を愛せず、ひたすら宇宙に憧れる。 幼い日の疑問だけが、彼女を突き動かしている。 「私、何も悪いことしてないのに。どうして宇宙に出られないの? あんなに広くてきれいな宇宙なのに、どうして見ることしかできないの?」 彼女の言う「宇宙」とは、衛星軌道や月面のことではない。 太陽系を遥かに飛び出した、何千光年彼方の星々を、思うがままに駆け巡りたいのだ。 カネを積めば可能になることではない。物理法則が彼女を阻む。 物語の舞台は近未来だが、宇宙開発はさっぱり進んでおらず、人類は火星にも行けない…… 何十億円も払って、地球の周りをグルグル回る程度しかできない…… だが、ぴあのは諦めない! 必ず、星々の彼方に旅立つ! 夢のために芸能界でのし上がり、人工知能搭載のバーチャルアイドルを打ち破り、現代物理学をひっくり返す理論を考えだし、画期的な宇宙船を作り上げる。 ついに、あらゆる束縛を振りきって、ソラへ…… そういう物語だ。 そして、その天才少女に憧れ恋をする、ひとりの男の物語でもある。 彼女を愛し、彼女に付き従い、支え、しかし結局は見送るしか無かった男。 全てわかっていた。とびきりユニークで、とびきりマッドで、宇宙だけをひたすら愛し、そのためならどんな努力も厭わない彼女が好きだった。 ボクを好きになるような女だったら、ボクは好きにならなかった…… その終わり方が切ない。 いちばんラストに、こんな文がある。 「晴れた夜にはオリオン座を眺めて思い出すだろう。あの方向に結城ぴあのがいる。今も飛び続けている。」 泣ける!!! これは泣ける!!! あと…… この小説は、同じ山本弘の小説「地球移動作戦」の前日譚なんですよ。 私は、数年前、「地球移動作戦」という小説を読んで、それなりには面白いと思ったけど、 「ふうん」くらいの気持ちで、感動はしなかったのです。 それどころか「設定が生かされていない」という強い不満を持ちました。 「地球移動作戦」の世界では、「ピアノ・ドライブ」という、タキオンを噴射することで推進剤無しで加速できる、事実上の永久機関であるエンジンが出てくるんです。 (そのピアノ・ドライブ発明を描いたのが、『プロジェクトぴあの』です) ピアノ・ドライブで地球を動かすんですけど、私は「なんでわざわざタキオン出すの? 普通のロケットでもいいじゃん。タキオンを使うんなら、それを生かした話にしないとダメだろ」と思ったのです。 多くのSFでは「タキオン」は「時間を超える通信手段・移動手段」として使われるからです。 要するに、「タキオンはタイムトラベルの道具であって、タキオンを出した以上はタイムトラベル物にしなければダメだ」と思い込んでいたんです。 あるガジェットは、ある特定の目的にしか使ってはいけない、独創的な使い方を認めない、というのは、固定観念に囚われているだけで、SFファンとして完全に終わってる。でも当時の私はそうだった。 この小説「プロジェクトぴあの」を読んで初めて、ピアノ・ドライブの凄さがわかりました。 推進剤や燃料無しで推進できる、というのは、途方も無い大革命なのだ! 「それが当たり前の、スペースオペラ的な世界」ではピンとこなかったけど、「現在と大差ない世界」にピアノ・ドライブが忽然と出現したので、私の鈍い頭でも、ようやく凄さがわかった! というわけで、「プロジェクトぴあの」大のオススメです! PR |
カレンダー
フリーエリア
最新コメント
[10/25 Home renovation]
[10/25 Быстрые деньги Минск]
[10/19 TopHost]
[10/19 CloudVPS]
[09/22 Harrytebra]
最新記事
(05/17)
(04/06)
(03/22)
(06/16)
(05/29)
最新トラックバック
ブログ内検索
最古記事
(09/05)
(09/06)
(09/07)
(09/10)
(09/12)
カウンター
アクセス解析
|