神よ我に２４時間の休日と３０００円の可処分所得を与え給え

　神よ我に２４時間の休日と３０００円の可処分所得を与え給え！
　ただそれだけあれば、日帰り温泉ツーリングで幸せになれる！
　でも、ただのそれだけのものが何ヶ月も手に入っていない。
　休日はたまに手に入るが、そんな時に限って弁当ひとつ買えない。
　毎日どんどん忙しくなる。「休日」は「２４時間の自由時間」ではなくて、「家に帰って眠ることができる日」になってしまった。
　だって普段の日は「家に帰ることすらできず、新宿の路上で寝て、また次の仕事」という感じになってしまったから。本当に１円の余裕もないのでファミレスにすら行けない。路上で仮眠する毎日だと体が臭くなるので、靴下やＴシャツや消臭スプレーを買って、なんとか体臭をごまかす。ぜんぶ自腹なのでますます貧乏に。飯を抜き、水だけ飲み、公衆便所の個室で体を拭いて入浴の代わり……夢に９００円の駅弁が出てきて、目を覚まして泣く。私の一番好きな駅弁、小田原の至宝、「こゆるぎ」だ。食べたい……そぼろご飯がたまらない……
　家に帰って思い切り眠りたい。バイクで丸一日、思う存分走りたい。
　このふたつが叶うだけで、エネルギー再充電できるんだが……

　だめだ、愚痴ばかりではダメだ。
　そんなにカネがなくても、小川一水「天冥の標」を買った。最新刊は「６巻　ＰＡＲＴ２」。
　このぶんだと全１０巻といっても２０冊くらいになるかも？
　やっぱり面白い。
　虐げられてきた「救世群」がついに異星人の技術を手に入れて武装蜂起。
　破竹の快進撃で太陽系を震撼させる。宇宙艦隊戦が熱い。
　でも、それは破滅への道であった。
　コミュニケーション不全の恐ろしさが存分に描かれる。
　ああ、語りたい。書きたい。