忍者ブログ
ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
[908] [907] [906] [905] [904] [903] [902] [901] [900] [899] [898]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 2013年頃、「聲の形」(週刊少年マガジンに載った読み切り版)について批判的なことを書きました。
 あれはイジメを正当化するマンガだと。
 反論もありましたが、「そのとおりだ!」という意見もあり、2年半たった今でもレスが付きます。

 で、その後、連載版が始まって終わって。
 今度はアニメ化されるそうで。しかも京アニが。
 京アニが! 京アニが!
 
 そろそろ私は、この作品をどう思うか、最終的な結論を出さないといけない。

 ひとことで言うと、
「読み切り版よりも連載版のほうがいろいろ考えられている。私のような感想のことも想定して書いてるんだろう。作者は頭がいい。
 でも、やっぱり好きにはなれない。」
 ということだ。
 長い一言だな!w

 主人公が精一杯、罪を償おうとしているのはわかる。
 それにたいしてほかの登場人物が、「自分が楽になりたいだけだよね?」というたぐいの非難をしている。突き放して客観視している。

 そしてヒロイン硝子が、なぜ主人公のことを恨まないのか、ということも、ちゃんとフォローされている。
 要するに罪悪感だろう。自分が障害者として生まれてきたことで親が苦しんだから、自分のことを肯定できない。非常に罪深いと思っている。
 だからいじめを受けても「仕方ない」と思ってしまうんだろう。
 下手をすれば「これで少しは、生まれてきた罪を償える」くらいに思ったんじゃないか。
 そこまで自己評価が低い子が、主人公によって変わり、自己を肯定できるまでの物語……
 として、ちゃんと構築されているんですよ。連載版を最後まで読むと。

 でもね……
 そんな女の子ってすごく悲しい存在だと思うんだ。
 イジメよりも悲惨で、イジメですら救いと感じる女の子だよ?
 
 イジメさえも、それ以上の悲惨と比較すれば、たいした被害でも加害でもない。ということでしょう。

 そんなふうに描いてしまった作者に反発するな、私は。

 障害者の苦しみとくれべればイジメなんて大したことねえよ、って理屈を認めてしまったら。
 「日本の障害者はまだ幸せだ」「アフリカの少年兵や、インドの低カーストはもっと悲惨だ」「死んだ赤ん坊と比べれば、生きているだけで幸せだ」って理屈にもなるでしょ?
 世の中悲惨なんだから仕方ねえよ。っていうヤケクソな虚無主義にしかならない。
 無限の退歩だろう、それは。

 目の前で苦しんでる人がいる、しかも子供が、というイジメの現実に対して、誠実に向き合っているとは、私には思えなかった。

 続く。
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[10/25 Home renovation]
[10/25 Быстрые деньги Минск]
[10/19 TopHost]
[10/19 CloudVPS]
[09/22 Harrytebra]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ますだじゅん/ペンネームC
HP:
性別:
男性
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析