ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
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大西巷一「乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ」1巻と2巻を読んだ。
フラッと1巻を買ってみたら、すごく面白かったので2巻を買いに走った! 15世紀のヨーロッパ、ボヘミア(チェコスロバキア)で起こった「フス戦争」が舞台です。 聖書の原点に戻って清廉な暮らしをするべきだと主張するフス派、教会の権威を重んじるカトリック派の対立が戦争にまで激化し、主人公のシャールカはカトリック派の騎士に襲われてしまう。 家族を皆殺しにされ、絶望してさすらっていたシャールカは、歴戦の傭兵隊長ヤン・ジシュカの部隊に拾われ、初期の銃「ピーシュチャラ」を渡されて兵士となる。復讐のため、生きるため、そして、仲間がいるから…… シャールカは数々の戦いをくぐり抜け、聖戦のシンボル、「戦いの天使」となる…… シャールカの純真さ、「人を殺す罪悪感」と「生きるために仕方ないという気持ち」のせめぎあい、このあたりもすごくよく描かれています。 凄惨な戦いのなかで小さな安らぎをつかんだ、みたいなシーンも心あたたまる。 残虐なところをまったく隠さないで描いている迫力たっぷりな戦闘シーンもオススメ。 個性たっぷりな、プレート・メイルに身を包んだ騎士達の突撃! 飛び交う銃弾、降り注ぐ矢ぶすま、吹っ飛ぶ首! でもそれ以上に興味深かったのは、ヤン・ジシュカですね。 ウィキペディアでは「フス派の教えに心酔し」って書いてありますけど、このマンガの解釈ではヤン・ジシュカは信仰心で動いてません。神様なんぞ信じてないように見える。 「もっと強い軍隊を作りたい!!」「俺の考えた戦術理論を実験したい!」という、マッド・サイエンティスト的な人物なんですよ。 「野戦築城と銃を組み合わせた先進的な戦術を試したい」 そして、「恐れを知らず、命令で機械のように動く軍隊が作りたい……」 そのために人々の純真さを徹底的に利用しているんです。 「信仰篤い純真な人々、とくに子供を使えば、理想の軍隊を作れる」から。 ジシュカはシャールカを始めとする子どもたちに戦う力と、生きる場所を与えました。 戦いを避けて山の中で信仰生活を送っている人々に「神の戦士となれ」と呼びかけて軍に編成しました。 反対する旧友は殺して埋めました。 さすがに友達殺すときは罪悪感の描写があったけど、でも善人とはとても言えない。 人々を救うためではなく、あくまで自分のため。苦しんでる人々を自分のために利用している。 悪く言えば、「子どもたちを洗脳して戦わせている」わけで…… 降伏しても殺される可能性が限りなく高いから、仕方ないんだけど…… 少女たちに聖歌を歌わせて、歌声でみんなが泣いて勇気百倍! みたいなシーンもあって、すごく美しくて感動的なんだけど、これで感動しちゃって俺いいのかな、みたいな……とても複雑な思いが沸き起こってくる…… 宗教の美しさと怖さが同時に伝わってくる。 だって章のタイトルが「至福千年王国」「汝ら神の戦士なり」だよ? 2巻では集団自爆シーンがあり、ほのぼの系の癒やしキャラが死んでしまい、ますます「これを楽しんでいいのか」という気持ちが高まった。でも読んでる最中は、たしかに気持ちが「ウォーッ、キターッ!」となるんだよね。 漫画が上手いから! こわい本だよまったく。 史実だと、フス派は内部対立で滅んだらしい。 きっと漫画の中でも、「宗教的陶酔による戦意の高さ」が、フス派自身に向けられる日がやってくるのだろう。熱すぎる信仰の炎が、より純粋な「真の信仰」を求める心が、みずからを焼き滅ぼすのだ。 すでに、「これは対立の伏線かな?」というものがいくつか描かれている。 最後まで目が離せない。 PR |
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