ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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町田に最近できた「アニメガ」というオタク書店に行ったら、「ウは宇宙ヤバイのウ!」置いてあった。
さすがだ。普通の書店では5軒巡っても見つからないものがあっさり見つかる。 で、さっそく読んだのですが、面白かったですよ。 Amazonの書籍紹介に載ってるあらすじは、こんな感じ。 内容(「BOOK」データベースより) 巨大隕石が降り注いで5秒…地球は滅亡した!―と、次の瞬間、高校生の久遠空也はベッドの上で目覚めた。今のは夢!?だけどやけに生々しい…。ベッドの隣には冷めた目のヌル香。 「なにやってるんです?しっかりしてください」彼女はため息混じりに説明する。空也はかつて星間諜報局の敏腕エージェントだったが、世界線混淆機なるものを起動させたことで記憶を失い、地球人の高校生になったというのだ。 「緊急措置としてついでに時間も遡りました。隕石が再び落ちてくる二日後までにこの状況をなんとかしてください」 「…ってどうしろと!? 主人公の少年が、「異星人の暗殺者が襲ってくる! 他にも様々な異星人が自分を狙ってる! そして2日後には巨大隕石が地球を滅ぼす!」という超ヤバイ状況で、人工知能の女の子・ヌル香と仲良くしながら奮闘し、なんとか地球と自分の危機を回避する話です。 スピーディで、SFアイディアが盛りだくさんで、スケールがめっちゃ大きくて、面白かった。 学校の教室からはじまって、時間も空間も超えて冒険するんだぜ。 そして最後は日常に戻ってきて、「よくある学園ライトノベル」に着地させる。 こういうの大好き。 ヌル香が装備する「世界線混淆機」のアイディアがいい。 「もしもボックス、ただし誤差がすごく大きい」みたいな感じ。 これを使うと様々な問題が解決するけど、複数の並行世界が入り混じっておかしくなってしまう。 おかしくなりかたが、すっとぼけている。 「ライトノベルにありがちのキャラ付け」だと思っていたものがSF的大ネタで、ここぞという時にピンチを救うあたりも良かった。ええっ、そうきちゃうの!? ってニヤニヤしながら読んだ。 世界が変動する度に時間割が出てくるんだけど、この時間割が繰り返しギャグになってて笑えるし、世界線の変化をわかりやすく表してるのも大変良かった。 SF作品のネタがたくさん入ってるらしくて、どれだけわかるかで、自分のSF濃度が分かるぞ! 俺はあんまりわからなかったので、まだまだ修行が足りない! 大変良かったんだけど、……これはSFの面白さであって、ラブコメとか、そういう普通のライトノベルを望んでいる人にはピンと来ない気もするな。 登場人物はあんまり掘り下げられないし……(せっかく眼鏡っ子もでてくるのに!) 幼なじみが主人公に抱く恋心をちょっと描いたけど、「あの部分は結局、なんの意味があったのだろう?」という感じだし。 パロディや、会話のギャグ(ライトノベルでよくある、主人公とヒロインのドツキ漫才)も、そんなに濃厚というわけでもないし…… SFギャグということで、やっぱりニャル子さんと比較しちゃうけど、あれと比較しちゃうとギャグ薄いよね、間違いなく。ああいう感じを望んでいると肩透かし食らう。 笑わせることがメインのニャル子に対して、「宇宙ヤバイ」は笑わせるのが主体じゃなくて、「SFが主体で、料理法として脱力コメディを使ってるだけ」って感じかな。 あるいは笑いの種類が違うのかも。ニャル子は常識人がツッコミ入れる「日本の漫才」だけど、宇宙ヤバイは「イギリスのブラック・コメディ」。 ……すいませんイギリスのコメディに詳しくありません。 「銀河ヒッチハイク・ガイド」に似てるからイギリスっていってみただけです。 ネットで他人の感想を読んでると「素晴らしい! これぞSF!」って意見と「まともな小説じゃない」という意見が両方あるんだよね。 どっちも分かる気がする。 批判の分量が多くなってしまいましたが、嫌っているわけではなく、個人的には大変楽しめました。大好きな作品です。 PR |
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