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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」4話、5話を見た。
 うーん。
 いまでも面白いけど、SF的にちょっと……という点が出てきたな。
 5話の宇宙戦闘は、ネットでは高く評価されてるみたいだけど……
 SF的にはダメでしょう……

 1 
 やっぱり、「宇宙船の高度を下げたから遅くなった」というビスケットのセリフは無理があるよ。
 ニュートン力学的に、逆ですよ。高度を下げたら速度は上がるものです。
 衛星軌道でも弾道飛行でも、上がります。

 2
 「180度反転するには足を止めないといけない」
 「止めたら敵の攻撃を食らってしまう」
 「だから小惑星にアンカーを引っ掛けて反転する」
 「逃げ切った!」
 という話の流れになってるけど。
 180度反転するには止まらなければいけない、という理屈が分からない。
 宇宙船が軌道を曲げるとき、停まったりしない。
 いちいち減速するなんて推進剤の無駄。
 周回軌道の速度(火星の場合、低軌道では秒速3.5キロくらい)を出したまま、大きなカーブを描いて反転すればいいわけで。
(作中の映像だと、眼下の火星はけっこう小さかったから、高度は数千キロくらいで、もっと遅いですかね)
 それができないなら「推進剤の量が足りないから」ということになるわけだけど。
 じゃあモビルスーツが縦横無尽に飛び回っているのは何故ですか、みたいな。
 どっちも「エイハブ・リアクター」が動力源ではないのかな?
 そもそも秒速3.5キロで「推進剤が足りなくて曲がれない」というんならほかの惑星になんぞ行けないでしょう。
 だって地球の脱出速度は11.2キロですよ。
 
 3
 モビルスーツが銃を撃つとき、反動の描写がない。
 レーザー砲やメガ粒子砲だったら、質量がゼロに近いものを撃ってるんだから反動を無視してもいいけど、でもオルフェンズの世界では普通の砲弾を撃ってるんでしょう?
 口径が120ミリと仮定すると、砲弾質量は20キログラムはあるでしょう。
 今日の戦車砲と同じ、秒速1500メートルで発射した場合、運動量は30000kg・メートル毎秒だから。
 モビルスーツの質量が40トンだと、3万を4万で割って0.7。秒速0.7メートル(時速3キロくらい)の速度で後ろに飛ぶことになる。
 連射すれば、でんぐり返ってしまいます。
 スラスターを噴射して相殺しないとダメでしょう。

 4
 遠距離から撃ちあってもラミネートアーマーを貫通できない、というセリフがありますが。
 宇宙は大気の抵抗がないわけですから、遠距離でも近距離でも砲弾の速度は同じ。
 威力も同じであるはずです。(命中精度が落ちるならわかりますが)

 もちろん科学的に正しいかどうかかが全てではないし、面白くするためなら科学を無視しても構わないけど……
 ここで科学を無視して、本当に面白くなるのか?
 「反動」「弾切れ」「排莢」「煙」「重力で弾道が曲がる」などを描いてこその「ビーム兵器禁止」じゃないか?
 オルフェンズはリアリティー重視で地味に行きます、というふうな印象があっただけに、うーん、ちょっとなあ、と思ってしまう。

 たとえば、シンフォギアシリーズとかキルラキルに対しては、科学的にありえないとは言いません。
 第一印象からしておもいっきり非現実的な話で、「ああいうことが可能な世界なんだ」って前提があるから。。
 現実とは違う世界の中で、非現実的であることを楽しめばいい。
 でもガンダムはなあ……
 他のロボットアニメと比較してリアルであろうとする、というのは、ガンダムの大原則じゃないのかなあ……
 そんな原則は俺の頭の中にしか無いのか……?
 でも、多くの人間が、ミノフスキー物理学を創作して設定のツジツマを合わせてきたのは、リアルであってほしいという欲求があったからですよね。
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 「鉄血のオルフェンズ」3話、やはり面白い。
 視聴率はとても悪いらしいが、路線変更せずに踏みとどまってほしい。
 昔の特撮みたいに、子供向けにテコ入れしたら、俺泣いちゃう。
 ハードでシリアスで、現代を鋭く描いた、「残酷な戦争を乗り越える物語」を貫いてくれ。
 ガンダムには「反戦」という要素もある。
 私の知る限り、反戦要素をいちばん追求したのが「0080 ポケットの中の戦争」。
 その先を見たい。

 ネットでは、「眉一つ動かさずに人を殺しまくる三日月が怖い」という意見がある。
 でも三日月は、アトラのブレスレット(ミサンガ?)を隠してる。人の心が描写されてる。
 あいつは「人殺しは悪いことだ」「平和な方がいいんだ」って間違いなく思ってる。
 でもそれは自分には手が届かない、って諦観してるだけだ。
 殺人マシンじゃない。
 オルガのほうが怖いよ!
 ガンダム操縦は仕方ないけど、なんで一軍連中を粛清するのも三日月にやらせるんだ。
 縛られてる奴を撃ち殺すだけですよ。オルガでもできるじゃん。
 口で命令するだけで、汚れ仕事は全部子分にやらせるとか、お前ヒドイ奴だなあ。
(もしかするとオルガは人を殺せないのかも、それがバレるとリーダーでいられないから、カッコつけてごまかそうとしているのかも)

 オルガと三日月をみていると、幕末の武市瑞山と岡田以蔵を連想する。
 全く無学で、人殺し以外何もできない以蔵は、カリスマ的リーダー武市の忠犬となり、命令されるがままに人を斬りまくる。
 だが結局、見捨てられて無残に死んでいく……

 というのが、フィクションに出てくる岡田以蔵だ。
 史実の以蔵はぜんぜん違うみたいだけど、マンガなどの影響で、私の中の以蔵はそんな感じになっている。

 切り捨てられて死ぬかどうかはともかく、オルガと三日月は対立するだろうし、対立しないと。
 あの二人の関係は「信頼」とか「忠義」とかポジティブなものじゃないよ。
 

 


 2013年頃、「聲の形」(週刊少年マガジンに載った読み切り版)について批判的なことを書きました。
 あれはイジメを正当化するマンガだと。
 反論もありましたが、「そのとおりだ!」という意見もあり、2年半たった今でもレスが付きます。

 で、その後、連載版が始まって終わって。
 今度はアニメ化されるそうで。しかも京アニが。
 京アニが! 京アニが!
 
 そろそろ私は、この作品をどう思うか、最終的な結論を出さないといけない。

 ひとことで言うと、
「読み切り版よりも連載版のほうがいろいろ考えられている。私のような感想のことも想定して書いてるんだろう。作者は頭がいい。
 でも、やっぱり好きにはなれない。」
 ということだ。
 長い一言だな!w

 主人公が精一杯、罪を償おうとしているのはわかる。
 それにたいしてほかの登場人物が、「自分が楽になりたいだけだよね?」というたぐいの非難をしている。突き放して客観視している。

 そしてヒロイン硝子が、なぜ主人公のことを恨まないのか、ということも、ちゃんとフォローされている。
 要するに罪悪感だろう。自分が障害者として生まれてきたことで親が苦しんだから、自分のことを肯定できない。非常に罪深いと思っている。
 だからいじめを受けても「仕方ない」と思ってしまうんだろう。
 下手をすれば「これで少しは、生まれてきた罪を償える」くらいに思ったんじゃないか。
 そこまで自己評価が低い子が、主人公によって変わり、自己を肯定できるまでの物語……
 として、ちゃんと構築されているんですよ。連載版を最後まで読むと。

 でもね……
 そんな女の子ってすごく悲しい存在だと思うんだ。
 イジメよりも悲惨で、イジメですら救いと感じる女の子だよ?
 
 イジメさえも、それ以上の悲惨と比較すれば、たいした被害でも加害でもない。ということでしょう。

 そんなふうに描いてしまった作者に反発するな、私は。

 障害者の苦しみとくれべればイジメなんて大したことねえよ、って理屈を認めてしまったら。
 「日本の障害者はまだ幸せだ」「アフリカの少年兵や、インドの低カーストはもっと悲惨だ」「死んだ赤ん坊と比べれば、生きているだけで幸せだ」って理屈にもなるでしょ?
 世の中悲惨なんだから仕方ねえよ。っていうヤケクソな虚無主義にしかならない。
 無限の退歩だろう、それは。

 目の前で苦しんでる人がいる、しかも子供が、というイジメの現実に対して、誠実に向き合っているとは、私には思えなかった。

 続く。

 泣き言はやめよう。好きな作品の話をしよう。

 新アニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が面白い!

 公式ホームページで1話と2話を見られる。ガンダム好きにはぜひオススメ!
 最近のガンダムはなにか違うな、と思ってる人にもオススメ!

 まさか! なにこれ! みたいな斬新で型破りなものはないけれど、でもすごく丁寧に作ってある!
 完璧に精緻に組み上げられた第1話、という感じだ!

 何百年も未来の世界で、火星が植民地支配を受けていて。
 そこは過酷な星で、少年たちが大人たちに搾取されて、少年兵としてこき使われている。
 独立運動をやってるお嬢様を護衛することになったんだけど、それは独立運動を潰すための策略で……
 少年たちは、大人たちによって捨て駒にされて殺されかかる。
 死んでたまるか! と、モビルスーツ・ガンダムバルバトスを持ちだして、立ち上がる……!

 少年たちの置かれてる境遇、それでも懸命に生きてるということ、大人たちの悪どさ、お嬢様の性格、主人公と兄貴分の絆、それらがすべて、わかる! わかる! という鮮やかな描き方で……
 いま第2話を見てるんだけど、雑貨屋の少女がオート三輪で配達していて、「お、オート三輪!?」ってびっくりしちゃった。火星=貧乏くさいイメージ、後進性を強調してるのか……わかりやすすぎだろ……?

 こんなにわかりやすくて、逆にいいのか? 謎また謎で引っ張らなくていいのか? と思ってしまうくらい、わかりやすい話だった。

 で、これからどうなるのかなあ、と。すっごい続きが気になる。
 主人公、兄貴分、ヒロインの人間関係がヒリヒリしていて、ものすごい悲劇が用意されているような気もする。
 とくに主人公の忠犬ぶりが、「ああ、これはやばいな……」という感じだよね。
 でも、こいつらなら切り抜けてくれる、という気もするのだ。

 いままでのガンダムに似てるか? という意味では、ガンダムらしくない。
 でも、「ガンダムシリーズを作り始めた時の志って、こういうものじゃないか?」と言う意味では、これぞガンダムだ!

 気になるのは、「三佐」とか「ニ尉」とか自衛隊式の階級を使ってるのはなぜなんだろう、ってことかな。
 あとSF的にも「?」って思うところがあるんだけど、でも、先がとにかく楽しみだ!

 で、そんなつらい13日間、なんとか挫けずに働けたのは、この小説が面白かったおかげ。

 白鳥士郎の新作ライトノベル「りゅうおうのおしごと!」。
 将棋の話です。
 私は将棋の知識なんてゼロに近くて、「ハチワンダイバー」とか「しおんの王」とか漫画を読んだだけです。
 でも面白かった!

 主人公はプロ棋士で、弱冠16歳で竜王になったスゴイ奴です。
 でも最近は負け続きで、ネットでも罵倒されて心が折れそうになってる。
 そんな時、彼に憧れた小学生の女の子・あいちゃんが押しかけて弟子入り志願して。
 追い返すつもりだったけど、一局指してみたら、あいちゃんの才能に感動しちゃって。
 周りから「ロリコンだ……」「犯罪だ……」って言われながらも、内弟子にして育てることに。
 主人公が、才気あふれるあいちゃんとの触れ合いで、闘志を取り戻していく姿が、熱いんだ!
 あいちゃんに嫉妬してツンデレする幼馴染(っていうか姉弟子)もいて、ラブコメでもあるんだけど。
 1巻の時点ではラブコメ要素は添え物で、将棋という戦いの熱さ鋭さが主題ですね。

 文句無しに面白かったですよ。ぜひオススメです。

 「のうりん」と比較するとギャグ要素は控えめで、ギャグ的なキャラはいるが、ギャグ的な超常現象は起こらない。
 パロディも「棋士のパロディ」以外は無し。
(シャルロットちゃんの喋り方は、もしかすると「ガールフレンド」のクロエから取ったのかもしれないけど……パロディだと言い切れる訳ではない)

 それにしても不思議なのは、将棋の世界の男女実力差だな。
 「女性のプロ棋士はいない」「プロ棋士とはぜんぜん違う、女流棋士という人達がいるだけ」
 という知識はあったけど。
 この作品でも「プロ棋士と女流棋士はまったく棋力が違います」って念を押してあるので、あらためて「なんでだろう」って考えこんでしまった。
 この作品の中に出てくる、姉弟子の銀子は、「不敗の白雪姫」「全ての女流棋士を薙ぎ倒して、女流棋士相手に一度も負けたことがない」「将棋1400年の歴史の中で最強の女性」などと言われていて。まあ確かに強いんだけど。
 でも主人公の八段に対して二段なんだよね。
 逆立ちしても勝てないレベルの実力差あるんですよね。
 女性の中の無敵に過ぎない。男性だったら銀子より強い奴は大勢いる。
 プロ棋士だけじゃなくて、奨励会員やアマチュアを含めて何百人もいるだろう。
 銀子はそれをどう思ってるのか。
 「私は女の世界でトップなら別にいいんだ」という性格ではない。
 それで満足できないからこそ奨励会に入ってプロ目指してるわけで。
 アイドル視されて嫌がっているのは「自分はまだまだ修行中の身。チヤホヤするほど強くない」という自己評価ゆえかもしれない。
 でもさあ……
 だったらなんで主人公に対してあんなに威張ってるのだ……?
 実力で劣るのに、先輩だから威張るって、人として最低なんですけど。
 それとも、あの威張りは、すべて好意の表れ、ツンデレ反応と解釈すべきなのか。


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