ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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劇場版"文学少女"が面白いらしい。
こうひんひろみさんの日記を見て、「そうか、原作をまったく読んでない人間でも楽しめるのか……それは凄いな……」と感心しています。 こうひんさんいわく、 「爽やか青春ラブストーリーか、と思わせておいてサイコスリラーに。んで最後に京極が出てきてウンチクを語りながらもつれた糸を説き解す。」 そうそう、文学少女シリーズはみんなそんな感じ。 心がもつれた人々を、「物語」の力で解毒し、憑き物落しをする話。 遠子先輩のことを京極と言われると「え……」といいたくなりますが、確かに役割的に京極。遠子先輩のエネルギッシュな語りは中毒性があります。遠子先輩のおかげで、私はますますナイチチ好きになりました。もはや「眼鏡の巨乳か、裸眼の貧乳か」と言われると後者です。 ……? すいません、前からそういう好みでした。「月姫」の頃から。 「文学少女」シリーズ好きなんです。 あの愛憎が入り乱れて人間の暗黒面と、狂気寸前のエネルギーがあふれ出してくるあたり……どこを切っても血と涙が出てくる物語が…… 男女の恋愛だけじゃない、さまざまな形の愛を描いた「真のラブストーリー」だと思ってます。いや、違うんだ、ラブという言葉ではまだ軽い。 決して切り離せない愛と憎の物語。 一番好きなのは、中盤の「“文学少女”と慟哭の巡礼者」です。 主人公が、かつて好きだった少女、トラウマの原因となった少女、美羽に再会して、いろいろあって人間関係の決着をつける話。 主人公と美羽の間の、「恋愛」とはちょっと呼びづらい、ねじくれた、痛々しい、でもすごく研ぎ澄まされて純粋な……相互依存関係? とでも言うべきものに、すさまじい迫力を感じた。 私はヤンデレ好きでは決してなかったはずなのに、気がついたら美羽を美羽様と呼んでいた。冷静に考えると、美羽は最低な奴なんだけどね……特に、人間以外の動物に対してやったことは謝りようもないしね……つうか今からでも遅くないから自首しろよ……このシリーズは法が無視されすぎているよ……心が傷ついていたら何をやってもいいのかよ…… 理屈で考えると美羽は酷いんだけど、美羽の気持ちは痛いほどわかるのです。美羽をふくむ、すべてのキャラの気持ちがグサグサとくるのです。だから責められない。どうなるんだ、どうか幸せになってくれ、と祈るようにして読みました。 ラストは大感動ですよ。人の心の力と、物語の力に、ただ感服ですよ。 すべてのエピソードが好きだけど、とくに「巡礼者」が大好きです。 どうやら今回の映画も巡礼者に近いストーリーらしい…… でも好きだからこそ、「映画を観るのは、なんか怖いな」と思っていました。 文学少女シリーズは一人称小説で、主人公の内面描写がすごく多い。 映像で伝えきれるのか。 しかも、全部で8冊もあって、人間関係や過去の因縁が複雑に入り乱れる話です。 「巡礼者」は美羽のエピソードですが、主人公と美羽だけが動くのではなく、脇役もそれぞれの想いで動き、心を吐露して、吐露が波紋のようにひろがって主人公や美羽を動かしていく。その吐露がどれほどの重さを持っているか、美羽篇だけ読んでもわからない。その脇役がメインだった、別のエピソードを読まないと。 だから……本当に映画一本でやれるのか。 ジョジョのファントムブラッドの映画みたいな「ダイジェストしすぎで、訳がわからねえ!」ってなるんじゃないか? でも、原作未読でも楽しめるんなら問題ないのかな……? あと声優にも強い不安がありました。 平野綾! 平野綾が美羽をやる!? いやあ……それはなんか配役がおかしいのでは……? 美羽の冷たくねじくれた心、嫉妬と焦燥と独占欲が絶妙にブレンドされたあの黒さが、平野綾という声優とまったく結びつかない……平野綾って、「いわゆるヤンデレ」の役やってましたっけ……? 平野綾が得意なのって、ななせみたいな役でしょう? あるいは姫倉さんみたいな。 誰ならいいのか? 私はずっと「美羽は桑島法子がいい」と思ってました。 「壊れた女といえば桑島」という過去の実績もあるし、「宮沢賢治ネタといえば桑島以外に考えられない!」のです。 すっごく不安でした。 しかし、「まいじゃー推進委員会」は「美羽がすごかった」「背筋がぞくぞくした」「平野綾ファンは観にいくべき」って…… そうなのか。違和感ないのか。俺が平野綾のことを固定観念で見ていただけなのか。 そんなわけで、大丈夫らしい! 観にいきます。 PR
「ブラッドファイト 蒼血殲滅機関戦闘録」を更新しました。
ブラッドファイト分割版7 姉を殺した殲滅機関に復讐するか、それとも、たったいま自分の手で殺してしまった凛々子の気持ちを汲み取るか。どちらも絶対にやりたい、でも両立できない……苦悩する敬介。エルメセリオンは「君が復讐したいなら止めはしないぞ」と意外な言葉を口にする。やがて敬介は決断した…… その一方で、ヤークフィースは恐るべき罠によって殲滅機関を黙らせていた。殲滅機関はこのままヤークフィースに屈するのか? という話です。 今回の更新分は、原稿用紙でたったの36枚です。 でも2ヶ月も書けなかった。 スランプなどという曖昧なものじゃなくて、明確な壁があって書けなかった。 「このキャラはここでこういう行動をとって欲しい、こう喋って欲しい、そうすれば盛り上がる」ということが分かっているのに、私が決めた通りに動いてくれない。キャラの心理的になんか違う……作者である私の眼から見ても、台詞に説得力を感じない。嘘臭い。だから書けない…… どうすればいいのか……ということで、壁に当たっていました。 小説の書きかた、新人賞の取り方の本を読み返しましたが、「キャラがプロットどおり動かないし喋ってくれない」ときにどうするかは、決め手となるものがありませんでした。 「いっそプロットなど捨てても構わない、キャラが自然に反応したのを取り入れるべきだ、そっちのほうが生き生きする」という意見もあるようです。 その一方で、「そのキャラの動機付けが弱かったor矛盾があったからご都合主義になっているだけだ。過去の伏線を整理・新設して、説得力がある動機を与えればちゃんと動いてくれるはずだ」という意見も。 、 今回の敬介の一連の苦悩と言動は、最初の頃から「ぜったいにやりたかった」ことなので、ここを変えてはならんと考え、後者の考えでいきました。 ストーリーは変えずに、動機付けを強化して説得力を与えようと試みる。 フラフラ、ウジウジしていた優柔不断の男が、ついに不退転の決意を固めて最後の戦いに挑む、重要な場面です。スリーアクトストラクチャーの「プロットポイント2」です。 だから、ここから先は完結まで一直線……のはずです。 一気に書けるはずなのです。 書けるんだろうな?
やばい。4月に入ってからほとんど仕事がない。
たまに5000円くらいの仕事が入ってくるだけだ。 しかも5000円の給料を得るために往復100キロもバイクで走っていくという。 どう計算しても今月の家計が破綻する。 ますだ「なんで仕事ないんですか?」 会社「民主党のせいなんですよ(キリッ)」 そう言われると仕方ねえな、ずっと支持者だったし。 って、納得するか! 毎年、4月は仕事が少ないし、去年の4月の収入は11万円だったのだが、今年も相当にヤバい。 3月にたくさん働いたぶんの金でなんとかするしかないのだが、たぶん、なんとかならない。 近所の踏み切りで、全身真っ黄色の服を着て旗を持った男を見た。 列車見張員だ。2月までの私の仕事だ。 ああ、あの頃は充実していたなあ。毎日仕事があって、監督に頼られて、食堂で大盛りを食べることができた、遠い日。もう何年も昔のようだ。
2週間ぶりの休みだ。
あれもやろう、これもやろう、と思っていたが……身体の具合が悪くて、あまりたいしたことが出来ない…… そうそう、電話を新調した。 携帯ではない。 PHSなのだ! 私はウィルコムユーザーなのだ! わずか5、6年前は「急成長!」「都会で使うならウィルコムしかない」「携帯を抜くか? ドコモは無理でもツーカーあたりなら抜けるだろう?」って言われていたのに、いまや滅亡寸前のウィルコム! 機種変更のため、わずか30分ほど電話屋に座ってただけなのに、「ウィルコムを解約したい」という客が2人も来たよ! まさにお先真っ暗だな。 しかし……もう10年もウィルコム(その前身のDDIポケット含む)使ってるんだ! 最期を看取るぜ! で、今回買ったのは「HYBRID W-ZERO3」。 なんかいろいろあるW-ZERO3の中の最新機種。 このシリーズはみんな同じような名前でややこしいよね。 新型出るたびにZERO3、ZERO4、ZERO5って名前を変えれば分かりやすいのに、どっちが新しいのかも分からない。 「W-ZERO3」 「W-ZERO3es」 「advanced W-ZERO3es」 「WILLCOM 03」 「HYBRID W-ZERO3」 ZEROシリーズを全部並べるとこうですが。 この名前見て、機能の違い分かります? どっちが高性能で、どっちが新しいものか分かります? 名前的にはアドバンスドが一番新しそうな感じで、WILLCOM03は一番古い印象だ。 もうね、なんつうかね、ネーミングに根本的な問題があるんじゃないかなと。 でも、まあ、HYBRID W-ZERO3を使ってみた感触は、けっこう良い。 なんといってもネット料金が無料なのが良い。ブラウザもいろいろ表示できる。メモリ不足でページが開けません」とか言わない。あと音が大きい。今まで使っていた電話は、なぜか知らないけど通話音量が小さくて、相手に怒鳴ってもらわないと会話できなかった。しかしハッキリクッキリ聞こえるようになった。 でも……難点もある。 ネットやってるときの操作性が、「中途半端にパソコン」なんだなあ…… 私は片手だけで操作したいんだよ! もう片方の手で吊革に掴まり、あるいは物を食いながら、片手でだけでサクサクとネットのどこまでも飛んで行きたいわけだ。ふつうの携帯やPHSならできる。いままでの機種はまるで10年前の携帯みたいな外見だった(ストレートで小さな液晶、カメラなし)けど、でも片手操作できて、楽チンだった。 HYBRID ZERO3は「画面をタッチして操作する」ことを前提にして作られてる機械なので、いまいち片手ではうまく扱えないんだな…… たとえば、2chでもヤフーでもいいけど、クリックできるところがたくさん並んでるとする。 普通の携帯なら、方向キーを押すだけで、「次のクリック箇所、そのまた次」って動かしていくことができる。早い。 パソコンならマウスで矢印を高速に、正確に移動させられる。 でもHYBRID ZERO3は「画面を正確にタッチする」「方向キーで、ゆっくりと矢印を動かす」以外に選択肢がないんだな…… タッチだと両手が必要だし、方向キー使うと矢印の動きが遅くて、じれったくて……普通の携帯の何倍も時間がかかる…… このじれったさ、なんとかならんのか。 他のスマートフォンもこうなのか? 私が機能を認識してないだけで、普通の携帯みたいな「クリック箇所の素早い変更法」もあるんだろうか? まあ……でも前向きに考えよう。もっともっと、いじり回して好きになるのだ。
今回の青少年健全育成条例改正案(長いわい!)について、ネットのいろんなところで、いろんな人がいろんなことを言った。
いちばん心に響いたのは、葛西伸哉さんの、これ。 清らかな世界で生きたい「あなた」へ 部分引用します。 でもね。 「あなた」もまた、誰かにとって『不愉快』『気持ち悪い』存在なのかも知れません。いえ、ほぼ確実にそうです。 (中略) 明確な根拠のある『害』ならば、規制や制限もやむを得ないことでしょう。 しかし、「よくわからないけど『不愉快』だし『気持ち悪い』」という理由で何かを排除する事は、確実に「あなた」自身の足下を崩していくのです。 そう、私が言いたい事の核心はこれ。 規制反対派が論理を持ち出しても、「エロ、特にロリコン物を喜んでいるなんてキモチワルイ、そんなの否定して当然」という人がいて、それが「世の中の多数派」らしいということに、私はおびえている。 そしてその人達が自分の価値観をまったく相対化していない、「自分達は、あたりまえのことを言ってるだけである」と信じ込んでいることに、おびえている。 自分と全く違うもの、理解できないものをキモチワルイと感じる。 当たり前のことかもしれない。争いの中で自分のグループを守る、人間の防衛本能かもしれない。 気持ちが分からないわけじゃない。 でも結局、歴史上の虐殺事件や差別、弾圧というのは、「その、あたりまえの感情」が苗床になって起こった。どんな優秀なアジテーターも、何もないところに憎悪を生み出すことはできない。いつだって火種はあった。 だから…… あいつらキモチワルイ、という「当たり前の防衛意識」を発現させる前に、もう少し考えてくれないか、という……君が我々に抱く嫌悪は「当たり前の気持ち」なんだけど、もう一度立ち止まってくれないか、という…… 「でも、あなたもまた、誰かにとって不快で気持ち悪いかもしれません」という言葉は、あまりに重い。この言葉があるかぎり、歯切れ良く「我は正義なり!」「我は被害者なり!」って言えない。思えない。世界は灰色で、白黒に分かれない。 でも人間が、すべての人間が胸に刻んでおくべき言葉だと思う。 私も「我は被害者なり!」って言うの自重する。 |
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