ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
こちらです
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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「ゾンビランドサガ」に関して、私は色々書いてきたが…… 「ギャグとシリアスのバランスがスゴイ。ギャグとシリアスの相乗効果がスゴイ」 全く同じことを何度も何度も書いてる…… ボケ老人か! じっさい、あのギャグあってこそ、感動があった。 ゾンビだから、アイドルだから、巽がいたから、さくらがいたから、リリィがいたから、サキがいたから……どの要素が欠けても、成り立たなかった。 (あえていうなら、ゆうぎりは比較的いらなかった) ゾンビランドサガは、いままでの人生がダメであってもあきらめないでがんばれ、という、言ってしまえば、すごい説教臭いテーマのアニメだ。 それを説教臭くしないために、さまざまな工夫が凝らされている。 ふつうの女子高生に言われても、私は、「ふん、お前たちは若くて可愛くて、未来があるから、なんとでも言えるさ」と反発しただろう。 だからといって、現実の私みたいなブサメン中年を出して、がんばれって話をやっても……そんな醜い物みたくないし、すごいウザそうだ…… 可愛い女の子だけど、いちど人生終わってるゾンビだから。 頑張れという説教はウザいということを、ちゃんと描いた上で、それでも一蓮托生の責任をもって、がんばれと言い続けるから。 説教は感動になったのだ。 しかし…… ゾンビランドサガは確かに、「私はまだ終わってない。手も足も動くじゃないか。頑張って生きよう」という活力を与えてくれた。 そのいっぽうで、私に厳しい選択を迫っている。 私は今まで、つらいことがあるたびに、「この世界は本当の世界じゃない」「この世界はもうすぐ滅びる」ということを救いにしてきた。それこそ子供の頃からだ。 この世界は本当の世界じゃない、というのはグノーシス主義。この世界が滅びるというのはハルマゲドン思想。 特定の宗教に帰依したことはないが、「この世界は汚くて、ちっぽけで、くだらなくて、もうすぐ滅びるんだから。苦しみも、悲しみも、大したことじゃない」ということで救われてきた。 具体的な話をすると、神様によって宇宙そのものが滅ぼされると思っているわけではなく、人工知能やら環境破壊やら天変地異によって人類文明が終わると考えている。そして人類文明など、宇宙全体から見ればほんの一瞬のことにすぎないと。 おそらく人工知能だろう。いまの人類は虚しく滅び、人類には到底理解できない超知能をもつ機械たちが、自己改良と増殖を繰り返し、銀河に広がって帝国を築くのだ。かれらこそが真の人類であり、真の世界創造主。われわれは紛い物でしかなかったのだ。山本弘が「アイの物語」で描いた、胸のすくように爽快で、世にも美しいビジョンだ。 世界が滅んだ後の「本当の世界」に転生・復活できるとは、思っちゃいないのだ。 ただ単に、世界(人類社会)の価値を貶めることが救いなのだ。 それによって、世界に含まれるすべての苦痛が軽くなるからだ。 世界に含まれる喜びも軽くなるが、ささいなことだ。 理解してもらえるだろうか? しかし、ゾンビランドサガは、世界の否定を否定する。 徹頭徹尾、「その場所で頑張って生きていけ」という話だ。 「ボロボロのまま前を向く 今だけがリアル」だ。 ゾンビランドサガの救いと、「世界なんて下らない」の救いは全く相容れない。 この作品が、ほんとうに刺さったというのなら。 私は、いままで自分が救いだと思っていたものは救いではなかった、と、認めなければいけない。 認めるべきなのだろうか。 勇気が出ない。 PR |
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