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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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ライトノベル「封印魔竜が最強の仲間たちと数千年後の世界で無双するようですよ?」の1巻と2巻を読みました。
 これが、なかなかの掘り出し物。
 めくるめくような興奮はないけど、一服の清涼剤として面白い。

 今どきの流行に合わせて、タイトルがめっちゃ長いので、「封印魔竜」と略します。

 はるか数千年の昔、魔物と人間は全面戦争をしていた。
 魔物のリーダーである、最強の竜ニーズフェルドは、人間の勇者ジーゲンザインと相打ちになり、封印されてしまう。

 数千年後に蘇った彼は、魔物たちが滅ぼされ、人間だけの世界になっていることを知る。
 人間は魔法の力を失ったが、代わりに蒸気機関や銃などの科学文明を発達させていた。
 魔物がいなくなっても、人間同士の戦争はあり、災害や事故なども多発して、多くの人が死んでいた。
 ニーズフェルドは人間たちを憎んだりせず、それどころか、人間たちを守ろう、救おうと考える。
 自分を倒した勇者ジーゲンザインに敬意をもっているから。
 尊敬するライバルが、命を懸けてまで守った人類が、あっさり自滅なんかしたら、ライバルまでバカだったことになる。
 だから人類にも敬意を抱くし、守る。
 ニーズフェルドは、部下の魔族数人と一緒に、災害救助チームをはじめる。

 という話です。
 そうか、魔物チームが災害救助か。
 その手があったか。

 まず、ニーズフェルドのキャラがいい。
 超音速で飛んで、砲弾も効かない最強のドラゴン。
 一人称「俺様」の傲慢なキャラ。
 だけど……弱い者いじめ、卑怯なことは絶対しない。
 それどころか、こいつ、すごく良い奴……
 「数千年も封印されて、目が覚めたら、魔物は滅ぼされていた」
 ふつうのメンタリティだったら、「人間許さん、復讐してやる」って思うはずなんですよ。
 でもニーズフェルドは逆に、魔法の力を失ってしまった人間を助けようとするんです。
 理屈で考えると、「えっ、なんでそう行動するの?」
 でも、読んでみると、「こいつはそういう奴なんだな。器がでかいんだな。いい奴だな。カッコいいな」って思えるんです。
 ここでニーズフェルドの行動を不自然に感じたら、この小説は全部パーです。
 でもキッチリ納得できるんです。
 いろんな飯を美味そうに食うのも、あっぱれ快男児という感じで、好印象です。
  
 ニーズフェルドだけでなく、部下の魔物たちも、明るくユーモラスに人助けしており、好感が持てる。
 ニーズフェルドを蘇らせた、ヒロインの学者・パトリシアも。

 2巻に出てきた「眼鏡っ子の天才科学者(正確には発明家?)」もよかった。
 眼鏡っ子で天才科学者!
 私の趣味、ど真ん中!
 でも眼鏡が四角いのはちょっとな。
 年齢が11歳と、極端に幼いのは、「恋愛関係にしないため」だと思いました。
 これで15歳くらいだったら、だいぶちがう話になる。

 とにかく、次々に災害や事故が発生し、ニーズフェルドたちがサクサクと解決していく。
 列車の脱線、飛行船の衝突、船の転覆、鉱山の火災、雪崩……バリエーション豊か。
 魔物の能力をうまく組み合わせて、誰も殺さず、全員を救う!
 爽快!!
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