ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 ネットではかなり評判悪かったので、覚悟して観た。 まず最初に思ったのは、なんでアンジェはCボールを途中まで使わなかったの? ってこと。 飛行客船から脱出するときは使ってない。 カーチェイスの時も使ってない。 もしかして、Cボールはプリンセス側が持っていて、アンジェは持ってない? でも、ちせが加わったとたんCボール使い出した。 ??? どういうこと?? 俺、何か見落としている? いろいろと消化不良だな、と思った。 ゼルダもガゼルもノルマンディー公もぜんぜん倒してない。 せめてゼルダくらいは倒しておかないと、勝った気がしないというか。 これまで敵として描いてきたノルマンディー公とガゼルは、最終回では蚊帳の外みたいな感じになっちゃってるし。かっこつけてるけど、実はあんたたち無能なんじゃないの?w 何が起こったのかは理解できます。 共和国内に、いますぐ王国と戦争するべきだという強硬派と、まだ早いという穏健派がいる。 ジェネラルとゼルダは強硬派だったけど、今回のクーデター作戦が失敗したから失脚した。また穏健派主導の体制に戻った。だから、チーム白鳩がやったことは反逆ではなく、結果オーライという形で容認された。いままで通りスパイ活動を続けることができる。 そういうことですよね。 でも、それは共和国内の話であって。 王国内の人間から見ると、何が起こったのか。 未然に防がれたとはいえ、軍の一部が女王暗殺をもくろんだ。 そのクーデター部隊に、シャーロット王女が協力した。 そして謎の人物(アンジェ)がシャーロット王女を拉致or救出して逃亡。 その後、シャーロット王女は姿を消す。 これは…… 王国の人間にとっては、「シャーロット王女はクーデターに加担して、失敗して逃亡」と見えるのでは…… シャーロット王女は、下手をすれば逆賊。そこまで行かなくても、要注意人物。スパイなんてもうできない。 ゼルダがシャーロット王女を縛り付けて脅迫し、あまつさえ銃で撃った、というシーンを、クーデター部隊の少年兵が見ていたよね。あの少年兵たちが、どう証言するか、ですね。 少年兵たちが「シャーロット王女は脅迫されていただけです」って言ってくれれば、なんとか首がつながるか……? 怪しまれることは間違いないけど。 最終2話の展開をやるには、いろいろ布石が足りなかったと思う。 共和国内に強硬派と穏健派がいて勢力争いをしている、という描写は今まで無かった。 王国内で不満が高まっていて、また革命が起こりそうだ、という描写も今まで無かった。 最大の不満点。10年前の革命で生まれた共和国はどんな国なのか、王国よりも平等な国ができたのか。それが描かれていない。 「10年前の革命は、そもそも間違いだった」のか。 「革命は善であったが、まだ足りない、完遂せよ」なのか。 この違いは重大だ。 何話か使って、そっちのほうを描いているべきだったのでは。 でもそれだと、9話のような、チーム白鳩が絆を深めるエピソードがなくなってしまうんだけどね。 結局、全12話では足りなかった。24話あれば!!! ということ。 それからもう一つ。 みんなで力を合わせてプリンセスを助けた。国の壁はなくならなかったけど、アンジェの心の壁は溶けた。だから「フォール・オブ・ザ・ウォール」だ。 ということになってますけど。 でも、アンジェとプリンセスの最大の秘密(昔は逆だった)は、けっきょくチーム白鳩に明かされていない。 こんな重大な隠し事をした上で「友達、仲間」「スパイである以前に人間だ」って、言われてもなあ…… 秘密が明らかになり、他の面々(特にベアト)が衝撃を受け。 その上で、衝撃を乗り越えて、再び手を取り合う。 この過程を経ないと、チーム白鳩は本当の友達にはなれないと思うんだよね。 ベアトが「うそ……ですよね?」と闇に落ちる所を見たい、という俺の趣味もある。 けっきょく、このアニメの最終的な評価としては、「前半はメチャクチャ面白かったけど、後半はちょっと……???」という感じ。 終盤だって、その話だけを見れば、ちゃんと盛り上がってるんですよ。 でも全体としては、あちこち部品が欠けている。 24話あれば完璧に作れたのに!!! PR
無題
Cボールは温存していたのでは? 連続使用はできない描写がありましたので、ここぞというときまで取っておいたのだと思います。
これが20世紀の冷戦を描いたスパイものなら、作中で描写されなくてもKGBに追われたり国防総省とCIAが足の引っ張り合いをしていることを視聴者は知っているんですが、これは架空の世界を舞台にしたアニメなんで描写してくれないとわかんないですよね。
無題
>こうひんひろみさん
Cボールは、そうかもしれませんね。 1話で「冷却完了」って言っていたから、今回も冷却すれば良いんじゃないの、とも思いますが、でも3話では使いすぎて壊れていましたからね。 連続使用制限がどの程度厳しいものなのか、明確に定めてないのかもしれません。 社会情勢や社会体制の描写は、ぜひやっておくべきだった、足りない、と思います。 たとえば10話の委員長粛清に、強硬派の存在を入れたほうがよかったのでは? 委員長は二重スパイだと思って探っていたら、二重スパイじゃなくて、共和国内強硬派の工作員だということがわかる。穏健派であるアンジェたちとは対立し、殺しあうことになるのです。 弱みを握られて裏切る破滅の悲しさも良いですが、共和国への忠誠心があるからこそ、これが国益になると信じて、友達のドロシーを撃たなければいけない、という委員長の姿も見たいです。 いっそゼルダのキャラクターと合体させるのも良かった。 殺し合いをやっている途中でコントロールから緊急の指令が入って、戦いをやめて委員長の指示に従えと言われるんですよ。 それだと委員長の人間性が別人になりますけど、委員長があの容姿で、アンジェより強くて冷酷に殺す、というのも見たいです。 こうひんひろみさんも、委員長好きですよね? でも、とにかく、いい作品だとは思うんです。 前半は文句無しに面白かった。 24話とか52話使えれば、ものすごーい傑作にできたと思います。
無題
共和国側をちゃんと描いて欲しかった、というのもありますね。
共和国なるものが、普通の民主国家なのか、共産主義国家なのかすら、わからない。 8話の革命では赤旗が出てきたので、共産国家の可能性あると思うんですが、そのわりにコントロールの連中は共産主義っぽいことを言わないんですよね。 たぶん10話で、養成所時代のドロシーと委員長が遊園地にいったのは、たぶん共和国の中だと思いますけど。 (試験のために、わざわざ敵国に潜入するとは思えない。未熟な状態で敵国に行くのは危険) もっと、革命で生まれた国っぽい、やばい振る舞いを見たかった。 第一話のアンジェ「共和国ではバレエはブルジョア的とされ、反革命芸術。亡命するはずがない」 エリック「えっ」 みたいな?(笑)
いろいろと
いくつか、私の読みを。
・Cボールについて 付けくわえると、量産以前の新兵器なのだから、信頼性はきわめて低そうです。 枯れた技術とCボールと、両方の選択肢がある場合には、基本的には前者を選ぶ。 そんな感じの扱いになっているのでしょう。 ・王国内での事件の扱いについて クーデター派が王女を誘拐して大怪我をさせたが、救出が上手くいった、それだけでは? 王女が首謀者でないことは状況からしてさすがに明らかなのではないでしょうか。 強盗犯に金庫を開けろと脅迫されて怪我した銀行の支店長さんを誰も責めないと思います。 ・敵を倒していない ゼルダもガゼルもノルマンディー公も、そもそも厳密には敵ではないと思います。 挙げられた三人は、第一義的にはコントロール(の主流派)の敵であって、主人公たちの敵ではない。 そして、主人公たちにとってはコントロールもまた味方ではまったくない。 三人のうち誰かを倒したら、オチとしてコントロールへの肩入れが過ぎる結果になってしまって、『キングスマン』みたいな「正義の組織に属するスパイが悪を倒す話」になってしまう。 プリンセスは明確に、自分の敵は共和国と王国の作り上げている状況そのものだと見定めている。 そのうえで、私はあくまで「大人たちの思惑のなかで少女たちが自分たちの居場所を守る話」だと思っているので、あの話の流れであまり違和感をもっていません。 ・政治的状況の描写不足について これ、ちゃんと意図的にやっていると思います。 主人公たちの行動範囲内にだけにカメラを合わせて、そのカメラから見える情報だけを視聴者に与えている。 それで、不透明な状況のなかで動かざるをえないスパイものの雰囲気と緊張感を出そうとしている。 その演出が成功しているかどうかはともかく、演出意図は汲んであげてもいいかな、と。
無題
でもやっぱり不親切だと思いますよ。
一から十まで説明することはないと思いますが。 でも録画して一時停止しないと確認できないような描写はちょっと……。 たとえばアンジェが脱出するときにパラシュートに書かれた英語の文章とか。結局何が書いてあったのか解らないままでしたよね。 アンジェは納得していたようですけど、視聴者も納得させてくださいと思います。
無題
>こうひんさん
パラシュートの文字は 「My turtledove, Run and live as Ange! ――私のコキジバトへ、逃げてアンジェとして生きて!」 だそうですよ。 「コキジバト」というのは夫婦仲の良い鳥で、シェイクスピアの「不死鳥と雉鳩」という詩によると「理想の愛の象徴」だとか。 「私のコキジバト」は「私の愛する人」を比喩的に表した言葉だと思います。 自分はプリンセスとして死ぬ、あなたは巻き込まない、という覚悟を決めたセリフです。 一時停止して確認できるなら、まだ良いんですよ。 政治的な背景は、推測に推測を重ねるしか無いので…… もう少しなんとか。 設定資料集を出すのもいいですが、描写としてみたいですね。
無題
>ヤマダさん
王国内での事件の扱いについて そうかもしれないですね。 でもラストで、ノルマンディー公がプリンセスの帽子を見て、「収穫はあった」って言っていたじゃないですか。 あれは「これでプリンセスを失脚させることできるぞ」という意味に思えたんですが。 >敵を倒してない うーん、テーマ的に倒さないほうが良い。というのはわかるんですが、そういうテーマだと賛成するか否か、という問題と、「テーマとは別に娯楽性というものがある」。 クライマックスなんだから、わかりやすく悪役をやっつけて欲しかった。 もちろん毎回やっつけたらワンパターンになるからダメですが。 あと、「少女たちが自分の居場所を守る話」だとすれば、チーム白鳩の絆や、楽しい日常を描くエピソードが、足りなすぎる。 この暖かいものが守られて欲しい、という切実な気持ちが、まだ私の中に育っていない。 7話とか9話みたいな、この子たち仲良くて楽しそうだな、ずっと見てたいな、というエピソードがもっと欲しかった。 どっちみち12話では足りなかった。 >政治的描写不足 うーん、それはどうなんでしょう。 社会を曖昧にしか描写しないことで、「少年少女の目線」で描くのは、エヴァンゲリオン手法というか、セカイ系手法ですよね。 そういう手法の作品だとは、私は思ってませんでした。 私はスパイものというジャンルを知らないので、間違って解釈しているかもしれません。
つづき
・「収穫はあった」
あれは「意味深台詞」で、解釈はあそこでは決まらないですね。 ただ、失脚というのはちょっと違和感があります。 プリンセスは現状、政治的なプレイヤーとしてはあまり影響力がないはずなので、彼女を失脚させるというのはノルマンディー公の直接の目的にはならない。 そもそも、ノルマンディー公にとってプリンセスは今のところは本気を出せば一瞬でプチっとやれる雑魚でしかないでしょう。 プリンセスを上手いこと利用して、もっと具体的な実利を得るのが目的のはず。 その糸口を掴んだ、あたりが妥当なところかな、と思います。 ・スパイものとラストのカタルシス このあたり、私の先入観もたしかにありました。 いやもうスパイものというから、めちゃくちゃ後味が悪いのを覚悟していたのです。 ハリウッド映画はともかく、いわゆる名作スパイ小説のラストはだいたい組織の理屈に個人の思いがすり潰されておしまいの悲劇的なエンド、という印象があったので。 それがあって、ものすごいハッピーエンドでよかったなあ、と感じてしまった。 ・セカイ系 いわゆるセカイ系とは違います。 あれは、社会を媒介せずに個人が直接問題と向きあうような物語構造のことを指している。 つまり、セカイ系にはそもそも表現すべき社会がない。 『プリプリ』は、視聴者にたいしてあえて社会や歴史にかんする情報を制限しているだけです。 物語構造の話ではなく、表現レベルの話、カメラレベルの話です。 設定としてはあるのだけれども、あえて視聴者にその情報を渡していない。 情報を制限することで、逆に、社会やら主人公たちの置かれた状況やらを印象的に描こうとしている。 たとえば、カメラは今、王国にあるから、壁の向こうの共和国の状況はぜんぜん伝わってこない。 そのくらい分断された状況にあるよ、ということをそれで強調しようとしているんですよ。 限定された情報ルートしかない主人公たちには、クーデターの話は寝耳に水。 それと同じ青天の霹靂な感じを視聴者に味合わせようとして、状況を説明しないでおいている。 ただ、それがあまり成功していないんですよ。 わざともやもやさせているんだけど、もやもやが視聴者の不満に繋がってしまっている。 その意味では、もっとちゃんと説明しろ、という、みなさんの批判は正当だと私も思います。
無題
>ヤマダさん
スパイ物の定番はこうだ、お約束はこうだ、という知識が私にないので、そのへん勉強しないと議論についていけないですね。 国家が分断されて冷戦状態になる話といえば、たとえば佐藤大輔の「征途」を連想しますが、あればやっぱり架空戦記の一種だから、カメラは高い場所にあって、国家や戦争の全体像を映してるんですよね。全体像を写した後で、個人に寄っていく。 プリンプリンシパルに「社会の背景がわからない」という批判がある理由は、 「情報を制限してるだけで、ちゃんと世界を作ってるんだよ」という信頼が、まだいまいち醸成されてない感じですかね。 ファッションとか建物とかの美術が良いから、独自の世界を作ろうとしているんだ、もっと期待したい、という気持ちもあります。 |
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