ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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アニメ「アウトブレイク・カンパニー」が面白い。
「オタクの主人公がオタク文化の力で異世界を侵略する話」という概要は知っていたけど、実際に映像で見るとすごい衝撃的・笑劇的で。 こりゃいいや! と、原作小説を買ってきて一気に読んでみた。 榊一郎の小説を読むのは数年ぶり。 原作は、主人公がものを考える過程が丁寧に書いてあるので、アニメだと「勢い任せ」「考えなし」に見える言動が腑に落ち、アニメよりもさらに面白い。 身分制度や人種差別に踏み込んでる点も興味深い。 人間>エルフ>リザードマン という人種差別のある国で、主人公は差別に抗しようとして、「でも日本の価値観を強制するのが正しいことなのだろうか?」というテーマ。 非常に難しいテーマだけど、でも扱わないのも不誠実。 作中でなんども書いてあるとおり、娯楽作品と言っても価値観や思想は混入するもので……日本の漫画・アニメは、自由と平等を下敷きにするものが大半だ。 少なくとも、「生まれついての不平等」は否定されている。 (競争の結果として勝者と敗者が出ることについては、ある程度は肯定される) だからオタク文化を楽しむためにはどうしても自由・平等を受け入れなければいけない。 崇拝しろとは言わないが、「そういう考えもアリ」くらいは思ってくれないと。 主人公が言ってることことだ。私も同意見だ。 ネットでは「左翼思想の宣伝アニメだ」「階級社会が悪いとは限らない」などと非難する声もあるようだが…… でも、「相手には相手の価値観があるから尊重する」という価値相対主義・文化相対主義も、場合によりけりだよ。 普段は自由と平等思想の恩恵を受け、人生選択を強要されることもなくオタクとして生きてこれたのに、アニメの中の自由と平等賛歌で感動したことも一度や二度ではなかったはずなのに、目の前で女の子が人種差別されていた時に「こいつらにはこいつらの価値観があるから」っていって看過していたら、そっちのほうがよほど問題だよ。 それやってたら、主人公はもはや主人公足り得ない。 「いろいろな価値観はあるだろうが、自分はこの価値観の側に立つ」という決断は必要だよ。 そこがブレるヤツは、人間らしいといえば人間らしいけど、でも少年漫画の主人公的には間違っている。 そんなわけで主人公は、「軽率な萌え豚だけど、決める時はビシっと決める男の子」として貫いて欲しい。 あと、3巻のサッカーをはやくアニメで観たい。きっと爆笑しつつ感動する。 追記 原作は「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」というタイトルなんだけど、アニメ化された時に「萌える侵略者」が削除されたのは残念。 俺の凡庸な頭では、「萌える侵略者」って言われると「イカ娘みたいのが攻めて来る話」にしか思えず、「主人公のほうが侵略者なのか!?」という驚きがある。いい副題だと思うんだけど…… PR |
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