ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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「スワロウテイル 初夜の果実を接ぐもの」読み終わった。
堂々の完結編だった。 興奮のままに感想を殴り書きする。 (オチなど、具体的なネタバレはあんまりしませんが、ところどころ漏れます。ご注意を) 日本国が解体占領され、自治区にも危機が迫る。団結して対処すべき時なのに、謎の人工妖精“麝香(ジャコウ)”が無敵の強さで自治区の要人を暗殺してまわり、政治が混乱する。「人類の運命を覆す乱数」として作られた揚羽と真白の姉妹は、果たしてこの状況を打開し、自治区を救えるのか! 自治区、日本国、そして人類、「この因果系宇宙」の運命すらかけた、最後にして最大の戦い! 1巻と2巻は「悪い奴がいるからやっつける」話だった。 愛と善意ゆえの悲劇もあり、各勢力の思惑が入り乱れる話で、オチとしては必ずしも勧善懲悪ではない(悪を許すことも妥協することもある)。でも少なくとも「悲劇の原因はあいつだ、あいつらだ」と名指しすることはできた。 同情や共感の余地がない「悪役」がいた。 3巻に至っては、マッド・サイエンティストの実験でした、の一言で要約できる。いちばんわかりやすい話だ。 しかし4巻は、「悪不在」の悲劇だった。 揚羽も、真白も、自警団も、赤色機関も、総督も、みんな善人で、愛する人のため、国のため、人類のために思いやりにあふれて覚悟完了して戦って、でも勘違いとスレ違いで、ピタゴラスイッチ的に死屍累々…… (ジャコウさんはたしかに悪役なんだけど、ああいうふうになってしまったのは本人のせいではない、被害者でもあると徹底的に描かれている) とくに揚羽と真白のふたりの運命が、徹底的に「悪不在」で、だから泣ける。 誰か悪い奴に騙されて陥れられてああなった、というわけじゃないんだもの。 一片の悪意も打算もなく、揚羽と真白の姉妹が互いを深く愛し、「自分なんて失敗作、姉こそ、妹こそ本当に宝物」って思っているからこそ、その心からの善意が、「悪不在」故におおいなる悲劇を生んだ。 こうなるしかなかった、とはわかるが、悲しい結末だった。 大きな目で見ればハッピーエンドなんだけどね。 いろんなキャラが勢揃いで豪勢な話だし、苦い結末を生んだにせよ、それぞれ心の限り全力を尽くしたことが伝わってくるんだけどね。 とにかく感慨深いものがある。シリーズをもういちど全て読み返したい。きっと発見があるだろう。 1巻では重要キャラだったのにそれっきり出て来なかった曽田洋一くんもジャーンと再登場し、「おお!」と思わせてくれる。 1巻から4年、2巻から3年経ってるし、かれ、成長したんだねえ、貫いたんだねえ。 わたしは、3巻(スワロウテイル序章 人工処女受胎)がとくに好きなので、「あのキャラ」の再登場と大活躍で大喜び、頬が緩みっぱなしだった。変わってねえw あんた一度記憶が消えて生まれ直してるのにぜんぜん変わってねえw つうか数段パワーアップしとるw あなたが五稜郭で過ごした二度目の学生生活、ぜひ読んでみたいですw 少なくともAパートとBパートに関しては、怒涛の展開、凄まじいアイデアとハッタリの乱舞で、頭のてっぺんから煙噴きそうなほどに興奮して読んだ。読まずにはいられない力があった。 「天皇と三種の神器があるから日本国なんだ」って言い出した時は「そっちに行っちゃうの、ゾーッ」と思ったけど、でも話が面白いからなんでもいい! Aパートラストの戦いも、バトル物ライトノベルの王道! という感じで大いに盛り上がったし。 それはいいんだけどCパートはなんなのですか。 一読しただけでは、Cパートの揚羽さんが何者なのかわからない。 いったいなにが起こってこんなことになっちゃったんですか。 エピローグはもっと謎…… おれ頭わるいんだなあ、やっぱりおれの理解力をこえてるわ…… どこかに叙述トリックとか仕込まれているんだろうか…… PR
無題
C揚羽は、まぁ、195P~200Pのやり取りを見ればわかる、かな?
無題
>NONAMEさん
コメントありがとうございます。 (これからモロにネタバレするので、4巻未読の方はこのコメント欄を読まないことをオススメします) 195~200Pと、344Pあたりを読んでみて、「C揚羽」が誰なのかはわかりました。 (なんで同じ名前をつけるんだよとおもいますが) すると527ページあたりで疑問が生じます。 「4年毎っていうけど、今が1回目なの? 20年も経ってるのに?」 さらにエクストラストーリー1,2の「復活」と「原型師の大人揚羽」がなんなのかわからなくなる。 復活した揚羽の魂はどこにいった? C揚羽に宿ったのだとするとエクストラストーリー2の大人揚羽が何なのかわからなくなる。 復活した揚羽の魂が大人揚羽に宿ったのだとすると、じゃあその肉体はどこから出てきたのかということになる。 消去法で考えていくと、「魂のない状態で作られていた、姉妹の三人目」の体に宿ったのでしょうか。 謎はまだあります。 506ページ、「完全に隔離して」に傍点が振って強調してあるのは何を意味をするのでしょうか?
無題
どうもです。僕も読み終えましたんで、参加します。
小さい揚羽に第四原則を設定して目覚めさせたのは、いつなのか? という問題だと思います。 「完全に隔離」というのは麝香として処刑されるまでの間に設定をすることが無かったという提示じゃないですかね。 エクストラの復活シーンは、あの世界では蝶さえあればどこからでも再構成できますので、特にあらためて肉体を必要とするとは思いませんでした。 で、エクストラ2の「非公式ながら第一級」とあるのは、人工妖精が初めて人工妖精を作り目覚めさせたから、第一級の称号がもらえたのでは。 んで、その事実は秘密なんで非公式。というところじゃないでしょうか。 でも復活した揚羽が精神原型師として小さい揚羽を目覚めさせるのに十年以上かかるってのはちと疑問ですがね。
無題
>こうひんさん
コメントありがとうございます。 「あの世界では蝶さえあれば再構成できるので、揚羽の復活に肉体は不要」というのは盲点でした。 そういえば1巻(人工少女販売処)では、死んで微細機械になった人工妖精を揚羽が「口寄せ」してますから、「情報というか霊魂があれば復活できる」という気もしますね。 小さい揚羽の年齢が4歳である理由ですが、もしかすると「エクストラ2の大人揚羽が復活するまで16年くらいかかった」のかもしれません。 「別の因果系宇宙」は時間の流れが違うので、すぐに生き返ろうと思っても無理で、16年後に復活した揚羽が小さい揚羽に第四原則を入れて、はじめて小さい揚羽は生まれることができた。 可能性の一つとして、ですが。 |
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