ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
こちらです
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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 神野オキナ「カミカゼの邦」という小説を読んだ。 アクション小説……? バイオレンス小説? ミリタリー小説? 近未来の日本を舞台にした、激しい戦いの話です。 たぶん2020年代だと思うんですが、日本と中国の間に戦争が起こってしまいます。 沖縄がすさまじい攻撃にされされ、大勢の人が死にますが、東京などには戦火が及ばず、5か月ほどで休戦しました。 主人公は沖縄に住む混血の男で、戦争中に義勇軍に参加し、死闘を潜り抜けてきました。 戦後は東京にやってきますが、平和な東京にはなじめないものを感じていました。 あるとき、もと戦友から「危ない仕事をやってカネを稼がないか?」と誘われます。 興味をもったとたん、戦友は謎の勢力に殺されてしまいました。 何者が殺したのか? いったいなんのために殺したのか? 戦友の仇をとらねば…… たった一人で戦いをはじめた主人公。 戦いを続けるうちに、いろいろな諜報機関や殺し屋を敵に回し、命を狙われる。 降りかかる火の粉を払っているうちに、恐るべき敵の正体が明らかになってくる。 「紙の虎」という男が作り出した、全く新しい形態のテロ組織「貧侠」。 そいつらは二重三重の策略をめぐらし、原発をぶっ飛ばして日本を滅ぼそうとしている。 「紙の虎」を倒すため、戦時中の仲間たちが集結し、日本の命運をかけた大決戦だ! 銃、爆発物、刀剣を駆使し、ひたすら戦いまくり、殺しまくる話で、非常に殺伐として、しかもレイプシーンとかSMシーンとかもあって…… いやあ、最近こういうの読んでなかったから、血と精液の臭いに、むせかえりました。 悲しい話でもありますね。 殺しまくりの話なんだけど、悪い奴を次々に殺していくのにスカッとしないんですよ。戦えば戦うほど悲しい。ヒャッハー感がないというか。 殺人・戦闘をかっこいいものとして描いておらず、「戦場を生きるために、どうしてもやらざるを得なかった、身につけざるを得なかった力」として、むなしいものとして描いている。 主人公はレイプはやらないけど、でもそれは紙一重の差であって、戦場では多くの人を殺してきた、外道に近い存在であると、なんども描写されているから。 獣に襲われたら、獣の流儀でやり返さないと終わらないのだ、と書かれている。 沖縄だけを犠牲にする日本人、への怒りも描かれている。 反戦平和を語る左翼も、愛国心を語る右翼も、現場で血を流してきた俺たちのことなどわかっていない、という絶望。 いっそ東京も戦場になるべきなんだ、そうすれば思い知るだろう、というほどの怒り。 主人公は「紙の虎」のテロリズムに共感を示しつつ、それでも友の仇をとるため、沖縄復興のために、あえて日本を守るのだ。 そのギリギリ感がいい。 徹底的に痛めつけられた男が、世界を壊す側になりそうで、踏みとどまり、最後のひとかけらのプライドをよりどころにして、世界を救う。 かっこよかった。 でも、この戦いのあと、主人公はどうするんだろう。 戦友たちは、ほとんど死んでしまった。 今度おなじことがあったとき、主人公は、日本を救う側に立つだろうか? 愛する女ができたから、そのために戦うのかな。 「貧侠」というテロ組織のアイディアも面白かった。 ただ気になったのは、「スティンガーミサイルで戦車を破壊する」という記述があったこと。 スティンガーって対空ミサイルですよね? PR |
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