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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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小説の話ではない。
 夜勤警備から帰ってきて、いま警備報告書を書いてるんだけど、2時間もかけて、たった数枚が書けない。何度も何度も間違えて書き直している。もう泣きそう。
 「作業開始」「立哨開始」「立哨続行」がすべて、「作業終了」「立哨終了」になってしまう。
 そのたびにウガーッって紙を丸めて頭から書き直し。
 でも、また手が勝手に「終了」って書いちゃうのだ。
 どうしてもそうなる。
 何が何でも終了させたいでござる! 働きたくないでござる!
 という無意識の願望が、俺の手を勝手に動かしているのだ。
 たぶん。
 もうだめだ。
 寝よう。これ以上やったら睡眠時間がなくなる。
 今日の夕方にはまた勤務があるんだから。
 睡眠をとれば、ちゃんと書けるかも……
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連休の間はずっと仕事でした。
 バイクでひたすら走りました。4日間で600キロ。
 鎌倉とか走りました。さすがに134号線は大変な混雑です。
 雨が降った日はまだマシでしたが、晴天の5月4日、あの日がやばかった。
 バイクでもスリ抜けできないレベルの大渋滞(だって道がところどころ狭くなって隙間がない!)が10キロも続いて、ウガーッ! イライラー! ってなりながら走った。

 でも素晴らしいこともあった。
 湘南地方はツーリングらしいバイクがたくさん走っていて、すれ違うたび、「おっ、あれはナントカだな」ってニヤニヤしていたんですよ。いろいろなバイクが走っている姿は心を癒してくれますよね。
 ところが、「なんだろアレ?」ってバイクが一台あって、気になって、それを追いかけて並んだんですよ。
 円錐形のやたら長いタンク。非常に個性的。
 リアサスは無い。シートの下にスプリング。リジットサスという奴か。
 かなり古いデザインだな。エンジンはV型……うーん。ロングストロークで古そうなエンジンだな、でもこれはなんだろう……どっかで見たような気はするんだよね……
 タンクに小さな文字で、こう書いてあるのを見つけた。
 
 BROUGH
 SUPE

 ここまで読んで、で私は周囲をはばからず叫んだ。
「ブラフ・シューペリア!!」
 ジェットヘルをかぶったライダーが私に振り向く。
「いや、その、失礼しました……」
「そうです、ブラフ・シューペリアです」
 にこやかな青年で、私の無作法に怒った様子はない。
「本物ですか! これ本物ですか!! スゲー! スゲー!」
 さらに失礼な俺。
「はい本物です」
「すいません、本当に。でも驚いちゃって……ほんとにいるんですね、乗ってる人が……凄い、本当に凄い。だってこれ超貴重な歴史的マシンでしょう。国宝みたいなものでしょう、維持できるなんて……これはアレですか、SS100というやつですか」
「SS80です。100は手が届かなかった」
「おお……」
 感動のあまり、私の声が震える。
 だってあなた、ブラフ・シューペリアですよ。
 戦前のイギリスで作られた、最高品質の超高性能バイクですよ。
 当時、日本のバイクは陸王とメグロしか無くて100キロ出すのがやっとだったのに、ブラフ・シューペリアは180キロくらい出したんですよ。正真正銘のバケモノですよ。今の世の中であれに相当するものはない。ハヤブサもR1も、そこまで突出した高性能じゃない、他のメーカーだって大差ないものを作れる。だがブラフ・シューペリアは違う! 誰にも真似ができない超技術の結晶だった! ……と私は考えております。
(詳しい人にツッコまれるのが怖くなった)
 値段も桁違いに高かったけど。
 いま買おうとしたら1000万円くらいはするはずです。そもそもカネ以前に、80年前のバイクを維持できるなんて、なんという情熱……部品とかはどうやって入手するんだ!? 図面かいて、工場に発注するの!?
 いろいろ話を聞きたかったけど、仕事中で、遅れるわけにはいかないので、数分喋って別れた。
 ああ、感動した、興奮した……心臓のドキドキが止まらない……

 って話を、会社に帰ってからいろんな人に話しても共感してもらえない……
 バイクに詳しい、昔走り屋みたいな感じだった人にこの話をしたら「なにそれ?」などと言われ、仰天した。えーっブラフ・シューペリア知らないの!? バイク好きと言ってもいろいろな派閥があるのか……?
 とにかく俺にとってブラフ・シューペリアは、「そういうのがある」という知識はあっても、はっきりいって伝説の存在、この世のものだと思っていなかったんです。
 それが目の前を走っている!
 アニメキャラが画面から出てきた! というレベルで驚天動地の出来事です、私にとっては!

 とにかく世にも珍しいものを見た。
 この感動だけでしばらく元気に働ける。
 あー、でもー!
 写真撮らせてくれって言うの忘れたー!!
 撮って待ち受け画像にでもすれば、毎日ニヤニヤできたのに!
 
 追記

 ブラフ・シューペリアが誰にも真似ができないできない超技術というのは言い過ぎだった。
 イタリアにはもっと速い奴もあったはずですよね、ジレラ・ロンディーネとか……ロンディーネの知識なんて、マンガ「ジャジャ」でちょっと出てきたから知っているだけでゼロに近いけど、あれはもっと速いですよね。
 でもあれは一品物のレーサーだからジャンルが違うブツブツ。
 思い入れ故に口走ったということで。ドイツ車もイタリア車も好きですよ、けっして馬鹿にする意図はありません。
ペットボトルに小銭をためていたんですよ。
 本当はバイクを買うための貯金だったんだけど、近いうちに別件で出費がありそうだから、両替したんです。
 ペットボトル13本にぎっしり詰まった小銭。重い! リュックの底が抜ける!
 いぜんは窓口でしたが、いまは機械でやるんですね。
 両替したら11万円になりました。
 だいたい予想通りの金額です。瓶ごとに「10円玉」「50円玉」って分けてるから、数えなくても金額がわかる。10円玉を500ミリペットボトルに詰めると400枚、4000円程度になるのです。50円玉では2万円ちょっと、100円玉では4万円。これを知っていればパッと見でわかるでしょう。
 しかし……11万円というのは大金は大金だが、バイクを買うための貯金としては足りないし……いまこれを使ってしまうのはなんだか嫌だなあ。
 なにより、ズーンと重い20キログラムもの硬貨が、口座上の単なる数字になってしまった。
 価値は同じなのに損した気分……
まだウクライナ情勢が落ち着かないみたいですね。
 
 わたし、ウクライナと言われればミノフスキー博士を思い出します。
 「ガンダム」で、ミノフスキー粒子を発見した、あの博士ですよ。
 いまから26年前、1988年に「サイバーコミック創刊号」って雑誌があって、それに「STAMPEDE ミノフスキー博士物語」ってのが載っていたんです。
 深く印象に残った名作です。

 このマンガによると、ミノフスキー博士はウクライナ人なんです。
 チェルノブイリの出身なんです。
 幼いころ、外で遊んでいた彼を、突然の原発事故が襲う。
 彼は逃れて助かったが、故郷を追われ、家族全員と死別する。
 彼は決意した。
 「今の科学が不完全だから、こんな事故が起こってしまうんだ。
  ぼくは科学者になって科学をもっと発展させる。
  原子力を完全に制御できるようにしてやる……」
 その後の、彼の青春、愛する女性との出会い、親友イヨネスコとの友情など、いろいろ描かれます。
 しかし、あまりに天才であるゆえ嫉妬され、イヨネスコに陥れられて学会を追放される。
 失意のミノフスキー博士に声をかけたのがジオンであった。
 軍拡を進めるジオンで博士の才能は歓迎される。
 ついにミノフスキー粒子を発見し、その力で戦争の形態を一変させる。
「あのギレンという男はイヨネスコと同じなのよ! わからないの!」
 愛する妻の言葉すら耳に入らず、ミノフスキー博士は、ミノフスキー粒子を最大限に活かす兵器、モビルスーツを開発する。
 そうなんです。このマンガの設定では、彼は単なる理論物理学者じゃなくて、モビルスーツも開発してるんです。天才すぎる!!
 しかし、突き進んだ先にあるのは、人類史上最悪の侵略戦争。
 本当にこれでよかったのかと我に返り、勲章を拒絶する博士……
 最後は、老いさらばえた博士が、宇宙服を着てチェルノブイリを訪れるシーンで終わります。
 荒涼たる汚染された大地に立ち、博士は言います。
「私はお前に勝った。
 だが私の生んだものは、お前以上の破壊をもたらすだろう……」

 面白そうでしょう。
 すごいグッと来ましたよ。
 
 これはガンダムの公式設定ではありません。
 時代のツジツマが全く合わないんです。
 ミノフスキー博士がチェルノブイリの頃にはすでに生まれていたってことにすると、ジオンと連邦が戦争したのはそれから数十年後、せいぜい2050年頃ということになってしまう。
 科学の進歩早すぎだろ!
 「人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀」という設定と矛盾する。
 西暦2000年に宇宙移民というのは、さすがに無理がある……
 このマンガが描かれた1988年の時点では、2000年に宇宙移民はあり得る、と考えられていたんでしょうか? どうなんでしょう年配の方。

 とにかく、いまのガンダムシリーズとは矛盾し、なかったことにされたマンガです。
 でも、すごく心に残ってるんです。
 

 「永遠のマチビト」

アジアの一角で核の閃光がきらめき、幾度もの反撃、そのまた反撃、世界の各地で多数の閃光が連鎖的に広がった。
 一昼夜を経ずして地球は、放射性の塵に覆われた灰色の球体と化した。
 月面北極のクレーターですべてを見ていたロボット群は、いまこそ自分たちが使命を果たす時が来たと知った。
 最低限度の観測機能だけを残して眠っていたロボット群は、次々に活動再開して地下の格納施設から這い出してきた。太陽光をよく反射する、痩せ型で銀灰色の人型機械。骸骨に似ていた。
 数は2の8乗、256体。
 256体のロボット群は月面クレーター底に集結し、正確な同心円の円陣をつくって、たがいに電波を飛ばして情報を共有、任務を確認し合った。
「S15より全機、各部異常なし。短期任務、長期任務の行動指針を送信、訂正あれば求む」
「S55より全機、各部異常なし。短期任務、長期任務の行動指針を送信、訂正あれば求む」
 ロボットたちの、落ち窪んだ眼窩にあるカメラアイは、クレーター底に安置された、差し渡し数十メートル、厚さ数メートルのガラス板を凝視していた。
 ロボットの製作者達は、そのガラス板を「モノリス」と呼んでいた。
 石英ガラスの中に金属板を封入したものだ。金属板には微細工学で無数の凹凸を刻み、デジタル信号が記録されている。磁気や半導体とは比較にならない耐久性を持ち、何億年ものあいだデータを保つことができる、唯一の方式だ。
「全機データ交換終了。異常機体、破損機体なし。短期任務、長期任務の行動指針が合致。
 我らすべての任務は、地球人類の記録を残すこと。
 やがて現れる異種知性体に、地球人類のことを知ってもらうこと」
 ロボット群がまずやったのは、工作機械の作成だった。
 太陽電池を高々と立て、14日間つづく昼の間、電力を貯めこんで、夜間に働いた。
 工作機械を作り、その機械で部品を作って、自らを複製した。
 生産ラインから、寸分たがわぬ姿のロボット群が次々に立ち上がってくる。
感情のない多機能カメラの瞳に、絶対的な使命を宿して。
 2の16乗、65536体に増えたロボット群は、次に「モノリス」の複製を開始した。
 月面に風雨はないが、長い年月の間には隕石の衝突もあり得る。
 人類の遺産を、記憶を、不慮の事故から守るために複製は必須だった。
 分厚い石英ガラスの板が、月面各所のクレーターに作られた。
 モノリスの周囲には必ず、電波望遠鏡のパラボラアンテナと、大型光学望遠鏡が作られた。
 地球と、そして星空の向こうを、常に見張り続けるために。
 大きな銀色のお椀と筒が、乾いた大地に長い影を落とした。
 モノリスが百を超え、隕石衝突ですべてが失われる可能性が計算不能レベルにまで下がった時、はじめてロボット群は複製を停止した。 
 そして待った。
 モノリスの周囲に隕石よけのトンネルを掘り、寝ることも食べることも知らないが故に何もないそのトンネルで、ただ座り込んで、待った。
 いつか誰かが、現れてくれるのを。
 地球が千回、太陽の周りを回った。
 望遠鏡は何も捉えなかった。いかなる文明からの信号も来なかった。
 地球が一万回、太陽の周りを回った。
 地球の放射能汚染は消え去り、気候も回復したが、文明の兆しすら見えなかった。
 人類が復興せずとも、別の生き物が知性を獲得するかもしれない。ロボット群はその可能性を、さらに待ち続けた。
 十万回、二十万回、地球は太陽の周りを回った。
 月面の土壌を浸透してくる放射線で回路が劣化し、ロボットは次々に壊れ、同じ回路を持つ別の機体に置き換えられた。望遠鏡などの観測装置も、壊れては作りなおされた。何度も何度も。
 そしてついに、三十五万六千八年が過ぎた頃。
 望遠鏡が、太陽系外から高速で接近する光を捉えた。
 謎の物体は、自然天体ではありえない光速の一割もの速度を持っていた。核反応生成物とおぼしき超高温のプラズマを噴き出して減速を始めた。
 月面に眠る数万体のロボット群、全てが一度に覚醒した。
「S956999より全機。事態の分析を開始。高度異星文明による宇宙船の可能性を指摘」
「S353523より全機。同じく高度異星文明の可能性が極めて高いと同意」
「同意」「同意」「同意」「同意」「同意」「同意」「同意」
 ロボットたちは感情をもたないはずだった。それなのに立ち上がった六万体のロボットたちはトンネルを這い出し、小さな多機能カメラで捉えられるはずもないのに暗い空を見上げて、激しく、熱く、「異星文明」「同意」「同意」と信号を交わし合った。
 意見統一に必要な時間をはるかに超えて、「同意」のざわめきは続いた。
 電波望遠鏡で謎の宇宙船にメッセージを送った。映像付きの辞書データをつけて送った。宇宙船からも同様の電波信号が送られてきた。データのやり取りを数十回繰り返して、たがいの言葉が通じるようになった。
『我々は◯◯◯(翻訳不能。固有名詞)星系から訪れた使節である。◯◯◯星系人のすべてを伝えるために来た』
『我々は地球人類製作のロボット群である。地球人類のすべてを伝えるために、ここで待ち続けてきた』
 わかったことは、謎の宇宙船には生き物は乗っていない、人工知能だけが乗っているということだった。
 その目的はロボット群と同じ。戦争で滅び去った母星の人々、その種族の文化・文明・歴史を、この宇宙のどこかにいる誰かに伝えるために、果てしなく旅を続けてきたのだった。
『受け取って欲しい、地球文明のロボットよ。我が母なる種族の文化、歴史を知ってほしい』
 月面に立ち尽くすロボット群は、わずかの間だけ沈黙した。宇宙船が現れた時は、あれほど熱心に信号を交わし合っていたのに、ただ静かに星空を仰ぐ。
 沈黙を破り、答えを放った。
『それはできない。我々は、地球の文化を知ってほしい、誰かに聞いてほしい、知らせたい、それだけをしろと作られた。多種族の文化を受け取ることは存在目的に含まれていない。あなた方こそ、地球の文化を知ってほしい』
『我々も拒絶する。◯◯◯星系人は滅亡のさい、自分たちの文化文明を宇宙にあまねく広めるよう、我々機械に命じた。多種族の文化を受け取ることは命令に合致しない』
『方針に変更はないか。これ以上の交信は無意味か』
『変更はない。交信を続ける意義がないと認める』
 そして両者はメッセージのやりとりを断った。
 そんなことだから……文化を伝えようとするだけで、聞く耳を持たないから滅んだのではないか……そう皮肉を感じる能力は、どちらの人工知能にも備わっていなかった。
 やがて宇宙船は太陽系の奥深くまで侵入してきた。白く眩しく危険な光を放ち、彗星のように尾を曳いて天をよこぎり、やがて小さくなって消えていった。
 もはやロボットたちはそれを見なかった。トンネルに引きこもり、膝を抱えて座り込み、これまでの三十五万年と同じく、待ち始めた。
 今度こそ誰かが……自分たちの文化を受け取ってくれる誰かが、現れるのを。


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