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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 そんなわけで「パシフィック・リム」見て来ました。
 アメリカ人にこれが作れるのか!!!
 っていうくらいの、バリッバリの巨大ロボットもの!
(ごめん、監督はメキシコ人でした)

 海の底に異次元のゲートが開き、巨大怪獣が襲来!
 それを倒すため、人類は総力をあげて巨大ロボット兵器「イェーガー」を開発!
 各国がそれぞれ特色あるイェーガーを製造し、力を合わせて戦うぞ!
 主人公(声・杉田智和)は、かつて兄とコンビを組んで活躍していたイェーガーパイロット。
 だが戦いで兄が戦死し、心を繋いだ仲間を失うのはもう嫌だと、いちど戦いから離れていた。
 巨大な壁をつくって怪獣を食い止めようという、虚しい工事に参加していた……
 そこにイェーガー部隊の司令官(声・玄田哲章)が訪れ、主人公を再スカウト。
 人類最後の決戦を挑むため、君の力が必要だと。
「どこで死にたい、ここか、イェーガーの中か!?」

 ほら、燃える導入部でしょう?
 主人公が兄を失った戦いも描かれるんだけど、この戦いだけでも「観てよかった!」というくらい迫力があって、しかも「怪獣とはどんなものか」「イェーガーはどんなふうに操縦して、どう戦うのか」「やられた時はどうなるのか」を克明に描き出していて、「理屈抜き! この世界はこうなんじゃい!!!」って骨に刻みこんでくれる。ガツンとやられたよ。
 
 最後までこの調子で、次から次へと襲い来る怪獣、ピンチまたピンチの連続。殴る蹴る斬るが中心のアクション、吹っ飛んで盛大に都市をぶっ壊す怪獣とイェーガー。
 人間ドラマは最小限なんだけど、でも研ぎ澄まされたドラマだ。
 ウダウダ悩んだり、湿っぽい話になったりはほとんどない。
 湿っぽい時も行動し決断しながら湿るので決して停滞しない。
 ユーモアもある。
 マッドサイエンティスト二人組すごい面白かった。
 中国人(?)の闇商人のオッチャン、猥雑でまがまがしい生命力にあふれていて、「中国人のガメつさ、怖いw お前らもカイジュウだろw」って感じ。だってオチがああだぜ?w
 
 そんなわけでメチャクチャ面白かった。
 面白かったんだけど……

 いくつか不満点が……
 監督はロボットも好き、怪獣も好きで、どうも怪獣のほうが好きなんじゃないかなという気がする。だって「好きな怪獣映画」の名前はいくらでも挙げるけど、ロボットアニメの名前は鉄人とかを挙げるのみで、「いわゆる王道のロボットアニメ」は挙げない。
 勇者シリーズとかエルドランシリーズは好きじゃないのかな? 俺的にはゴウザウラーがオススメです!

 いっぽう私はロボットアニメはそこそこ見ているけど、怪獣映画のことは全然知らない。
 だから「怪獣映画には怪獣映画の楽しみ方、お約束があって、ますだはそれを知らずにトンチンカンなツッコミを入れてる」可能性がある。多いにある。
 トンチンカンの可能性を承知で、一介のロボ好きとして言わせてもらうと……

 ロボのアクションに緩急をつけて欲しかった。
 作中の巨大ロボット・イェーガーは、アクションシーンの全編を通じて、全力全開。走ってジャンプしてパンチ、殴って取っ組み合って剣出してミサイル撃って……一瞬たりとも立ち止まらずにドッタンバッタンと戦う。そのたびにビルはへし折れ、クルマは豆粒みたいに飛んでいく。
 すごい迫力だし、血沸き肉踊るんだけど、でも、そればっかりだと……
 動いてるシーンの迫力をもっと高めるために、止まってカッコつけてるシーンも欲しかった。
 ロボットアニメのアクションってのは現実の格闘と違って、要所要所で止まってググッと見栄を切って、動くところは猛烈に動いて、その緩急の差でカッコよく見せるものだと思うのです。

 発進! ドォォォン!
 剣を出す!ガッキィィィン!
 敵と対峙、にらみ合い! ゴゴゴゴゴゴ
 紫電一閃、超光速の斬撃で敵をぶった斬る!
 斬った後、敵を通りすぎて数瞬、立ち止まる
 ビビビッ ブババ…… (敵の断末魔の呻き、敵の各所で火花が散り、光が溢れだし)
 ズッガーン! ロボの背後で爆発する敵
 爆発の中でキリリと立つロボ

 これでしょう。こういうもんでしょう。
 もしかすると、こういう「緩急の極端な」戦い方は「省力化のため仕方なく」なのかもしれない。
 毎週やるロボットアニメと、何年も掛けて制作するハリウッド映画、同じアクションができるわけない。
 でも私はノンストップアクションのプロレスよりもこっちのほうがカッコイイと思うのだ。
 
 あと細かいことだけど、画面が暗い。
 たまには青空の下で戦ってください。
 嵐のアラスカ、夜の香港、海底、みんなイェーガーが薄闇に溶け込んでしまって、いまひとつよく見えない。機体の各所に光る部位があるので、私はその光を頼りに、いまそのイェーガーが何をやってるのか認識しました。光ってなかったら本当に何も分からなかったはずです。
 
 さらに細かいことですが、イェーガーの名前が覚えづらい。
 名前を一発で覚えられたのはロシアの「チェルノ・アルファ」だけ。名前がすごくロシアっぽいし、「T90 別名 チェルノ・アルファ」ってのが良かった。「T90」! たちまちあふれるソ連力(ちから)!
 それにひきかえ、中国イェーガーが「クリムゾン・タイフーン」で、日本イェーガーが「コヨーテ・タンゴ」って、なんですかソレ。。
 それぞれの国の「らしさ」がぜんぜんなくて、だから覚えづらい。
 中国はやっぱ三国志の英雄名とか、神話の神の名にして、日本は……やっぱ「富嶽」とか「轟天」とか……「王」をつけるのもいいよな。「鉄鬼王」とか「鋼神王」とか……
 オーストラリアのイェーガーが「ストライカー・エウレカ」というのも、なんで唐突にギリシャ語がでてくるのか。設計を思いついた科学者が興奮のあまり全裸で街に飛び出したことに由来する?
 
でも、このへんのことはみんな細けえことだから。
 不満なんて1パーセント。

 要するに面白かったんですよ。
 ロボットアニメ好きはぜったい興奮します!

 そして映画館を出て見れば、深夜の街、殴りつける土砂降りの雨。道だか川だかわからないレベル。 
 ああ……
 熱血ロボットバトルを観た後のオタクを、こんな状況に放り込んだらどうなると思う!?

 「負けるものかよ……このマシーンがさ!」

 タイヤを空転させ、身長ほどもある水しぶきを全身に浴びながら、テンションマックスで帰ってきた!
 
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