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ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設 ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。 こちらです https://kakuyomu.jp/users/pennamec001
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 明日から四月。
 うおー。いままで休めないほど忙しかったのに、一気に仕事が減ったー。
 年度末が一番忙しくて、年度があけるとこうなるんです、毎年。
 去年や一昨年の経験だと月に20日弱くらいの勤務になる……はずですが、不況のことを考えるともっと減るかも。
 それにしても会社に電話したら
 「明日は四月なので仕事がありません(キリッ)」とか言われちゃいましたよ。
 さらっと言われてもなーw
 
 
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 カンザキさん……田中アコさん原作のマンガを読むべく、「アフタヌーン」買ってきました。
 化け猫の話だとは知っていましたが、まさか猫の名前が「ゲバラ」だとは思わなかったので噴き出しました。
 うん、しんみりとするいい話で、しかもどことなくユーモアがあって……
 ユーモアとはもともと「体液」という意味だそうですが、まさにそんな感じで、意図的に笑いを取ろうというギャグではなく、内面からにじみ出る感じで……
 
 あと、桜坂洋「よくわかる現代魔法」6巻も買ってきました。
 4年! 4年ぶりのシリーズ再開ですよ!
 面白かった。っていうか数年ぶりに友人と会ったような気分だ。懐かしかった。
 あっという間に、一息で読んだ。
 200ページあるのに、せいぜい体感的には100ページ。
 ちゅるん! と抵抗なくゼリーのように物語が体内に吸い込まれた。
 面白いけど食い足りない、もっと読みたい!
 「虐殺器官」「ハーモニー」の作者、伊藤計劃さんが亡くなったそうですね。
 ずっと闘病中みたいなことをブログには書いていましたが……
 明るい調子だったので、まさか亡くなるほどだとは……
 ひたひたと迫る死の足音を聞きながら書いた、と知った上で読み返すと、このニ作品はますます重く感じられます。
 とくに遺作となったハーモニー。
 鋭い衝撃を与えてくれた本でした。
 あまりに鮮烈で魅惑的な世界を描いてくれた本でした。
 SFは時としてヒューマニズムを乗り越えてしまうことがあります。
 この本はまさにそうで、論理的思考の結果「人としてそれだけはダメだろう」という結論にたどり着いてしまった。
 しかし、その「たどりついたところ」「天国に限りなく近いもの」は、禁断の魅力に満ちていました。ラスト十数ページの美しさを私はずっと忘れないでしょう。
 意識とは頭の中で行われている会議のことだ、命令や欲求同士がぶつかりあうコンフリクトの状態のことだ、という認識も、脳科学を研究されている方にとっては常識なのかもしれませんが私にとってはまったく新鮮でした。
 「お前は世の中に文句ばかりつけてるけど、じゃあどういう世の中にしたいの?」と聞かれるたびに私は答えに窮していたのですが、ハーモニーを読んだ今なら言えます。「こういう世の中だ。認めたくないけど、そうだ」と。
 ほんとうに認めてしまうことが恐ろしいのですが。
 
 これを読むと世界の見え方が少しだけ変わる、という凄い本でした。
 素晴らしい本をありがとうございます。
 この先を、次の作品を見たかった。
 私が通っている健康ランドの更衣室で、男の子二人の会話を耳に挟んだ。
 声しか聞いていないので年齢は不明だが、たぶん小学生だろう。

 男の子A「アイス喰いてー」
 男の子B「売ってんじゃん、買えばいいじゃん」
 男の子A「もっと牛乳っぽい、まろやかーなのが食いてえんだよ!」
 男の子B「乳脂肪分が高いってこと? 5.0パーセントじゃなくて12パーセントpとか」
 男の子A「それだよそれ! 難しい言葉しってんじゃん。牛乳っぽいと、なんかチーズケーキ喰ったときみたいに、口んなかにふわーっと広がって溶けて、うめえんだよ! 12パーセントであんだけ美味いんだから100パーセントになるとすごいだろうな! 100パーセントのアイス喰いてえな!」
 男の子B「ねえよそんなもん」
 男の子A「なんでねえんだよ? 絶対だな? 絶対ないな?」
 男の子B「絶対ないよ。
 だって牛乳100パーセントのアイスって……(絶妙の間)……それ牛乳じゃん!」

 私は噴きだした。
 当たり前のことを当たり前に言っているだけなのに、なぜか笑える。
 そして、笑った後に怖くなる。
 まるで驚愕の真実を告げられたような気にもなる。
 この感覚は、あの外山恒一の(都知事選挙のときの)政見放送を聞いたときと同じだ。

 「我々少数派にとって選挙ほどバカバカしいものはない!
 多数決で決めれば多数派が勝つに決まってるじゃないか!」

 
 これを聞いたときも最初は笑い、そして恐ろしくなったものだ。
 そう言えばそうだな……
 すべての人間を幸福に出来るシステムも政策もないということを、つまりこの世のすべての政策は「程度の差」でしかないことを、世の中について語る者は忘れてはいけないんだ……

 私は最近、「革命」だけは違うと思っていた。
 革命家はすべての人間を幸福にしようと、全人類を救おうとしてきたのだと信じてきた。
 ただ能力が足りなくて全員は救えず、涙を呑んで切り捨てただけだと。
 ロベスピエールも、レーニンも、カストロも、連合赤軍でさえ、本心のところでは全員の幸福を意図していたのだと思っていた。
 だがそうではなく、まったく逆で、「こいつらは悪で、俺達が苦しんでいるのは全部こいつらのせいで、こいつらは殺してもいいんだ」と「殺してもいい人間を選別する」のが「革命の本質」なのかもしれない。能力不足ではなく、最初っからそういうものなのだと。
 認識が切り替わる決定的な瞬間があったのだ。

 ……なんで牛乳100パーセントからこんな話になったんだろ?
 友人にカンザキさんという方がいます。
 イラストレーターで、小説家で……
 「ゆきのまち幻想文学賞」を複数回受賞、三国志本の表紙を描いて……
 文学好きで、オタクっ気もあって、三国志好きで、腐女子で……
 あと何かあったかな。
 文学好きとはこういうものだ、という私の固定観念を壊してくれた人でもあります。文学好きというのはオタクとは完全に違う、絶対に相容れない人種だと思っていました。
 しかしこの人ガンダムも観るし、シャアがすごく好きだし、「AIR」のアニメまで観ちゃうんですよ。
 「きーえるひこーきぐもー♪ ぼくたちはーみおーくーったー♪」が国歌として使われている(どこで?)あの「AIR」ですよ? しかもTV版と劇場版の両方ですよ。そんで感想を熱く語っちゃうわけですよ。国崎往人萌えとか。

 そのカンザキさんの書いた小説がマンガ化されるそうです。

 ……アフタヌーンで!
 えー!
 寄生獣の、無限の住人の、ああっ女神さまの、ヴィンランドサガの、砲神エグザクソンの、げんしけんの、ラブやんの、あのアフタヌーンで!
 すっごいじゃん。
 作画は萩尾望都先生……って、そりゃ少女漫画のことは全く知らないけど、少年漫画に例えると松本零士先生くらい(?)の超大御所だということは知っているよ!
 すっごいよお。
 なんという語彙の少なさ。凄い以外に何か言え。
 
 カンザキさんは、人生が楽しそうだから、趣味の活動をやっているのがすごく楽しそうだったから、小説は趣味でやっていくんだと、私は勝手に、本当に勝手に思っていた……
 
 なんだろう、このショック。

 おめでとうございます。買って読みますカンザキさん。


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