ますだ/ペンネームCの日記です。06年9月開設
ウェブサイト「カクヨム」で小説書いてます。
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一週間前に故障したバイクがやっと直った。
家から60キロも離れた、駅もないところで壊れた。あのときはホントどうしようかと思ったよ。最近はロクなことがない。 たった一週間バイク屋に預け、電車生活になっただけで、バイクの便利さを痛感した。 私の家には風呂が無いので、風呂に入りに行かないといけないのだが、電車だとこれがもう大変なのだ。駅の近くにないんだもん。片道30分はかかるんですよ? いろいろ疑問に思う。 駅まで歩くのに汗をかくからパーじゃないか、と。 わざわざ疲れにいってるようなもんだ。 バイクで行けば10分。羽根が生えているような気分だ。 PR
今回も「エヴァ破」の話をします。
ネタバレがあるので、まだ映画をごらんになっていない方は注意してください。 ネタバレ防止のために空白をあけます。 じゃあ、このへんで。 「なんでメガネっ子のマリについて語らないの?」というツッコミがありました。 ああ、それはですねえ…… 実はその……、マリ、まったく私の好みに合わないんですよ。 今回はまだ顔見せ段階で、人間ドラマに本格的に関わってないから、「Q」以降で好きになる可能性もあります。 でも今の時点では「うええっ……」という感じです。 マリが悪いわけじゃありません。いままでのエヴァにない、面白いキャラだと思います。彼女の正体や目的が気になります。坂本真綾の演技もすごい迫力でした。ああいうキャラをやるとは意外でした。 でも私、胸や尻の大きい女性が苦手なんです。 綾波やアスカですら乳でかすぎると思います。もっと小さく! もっと! どれほど願ったことか。 メガネっ子だから好き、と、乳がデカイから嫌い、で後者が勝っているんです私の中では。 メガネをなくして、「めがねめがね~」と這いずり回るのも、「何十年前のギャグだ!」という感じですし…… あと、マリは「萌えキャラは、かくあるべし」というデータベースに徹底的に反している。 快楽原則を否定する、チグハグなキャラの作りをしている。 メガネかけて、長身で、巨乳で、足も尻も成熟して、面長で、サバサバした性格で、ボーイッシュな声で、戦いが大好きで、語尾が「~にゃ」で、チェックのスカートはいて…… なんだそれ……? どこの属性にも当てはまらない…… お前の発想がワンパターン? その通りです。 でも、萌えキャラというのは現実の人間よりも遥かに狭いパターンの中で成立しているはずです。 たとえばツンデレキャラというのは基本的にロリが入っているべきです。声は釘宮理恵のように甲高くなければならず、最大限低くしても伊藤静ぐらいの声です。乳もメンバー内では一番小さいのが定番です。 サクラ大戦のカンナみたいな大女がいて、メロンのような乳を揺らし、野太い声でツンデレな言動を取ったら、ギャグにしかならないと思いませんか? 「受けた」という実績の積み重ねこそが「パターン」「属性」を作っているんですから。パターンからはみ出すのは偉大な挑戦ですが、危険でもあります。 すなわち、マリのようなアッケラカンとした女性はメガネをかけてはならず、一人称はボクであるべきで…… いや、私ごときが、上から目線で論評しても意味がない。愚かしい。 まず生理的に「これはちがう……こんなんメガネっこと違う……なんで乳が大きい……なんで体がでかいんだよォォォ! あと赤いフチのオシャレメガネではグッと来ないんだよォ!」と感じたんです。理屈はいま考えてるだけです。 私の好みの幅は狭い、ということです。 いまにして考えれば、旧エヴァが作られたとき、「萌えキャラのパターン」は現在ほど確立されておりませんでした。 アスカは「いわゆるツンデレ」の枠内に収まりそうで収まらないキャラクターです。 綾波レイも、後発の無感情キャラと比較すれば感情だしまくりです。 パターンに分類できないのがエヴァキャラの魅力なのかもしれません。 ああ、でもマリっぺのよかった点を一つ思い出しました。 チェックのスカートをはいていることです。 あれはすごくいい。Qでもぜひはいてください。 (我ながらキモイ)
今回も「ヱヴァンゲリヲン破」の話をします。
この映画の見所は山ほどあります。戦闘シーンの迫力だけで「ロボットアニメの限界点を超えた!」「劇場の大スクリーンで見なければ損だ!」って思います。 でも、私が一番感動したのは、この映画が「自己責任論の先にあるもの」を描いてくれた点です。 旧エヴァが作られた1990年代は「トラウマ主義の時代」だったと思います。 ダメな奴がダメなのは「愛されなかった」「裏切られた」など、過去の心の傷が原因で、その傷を癒さない限り人間は変われない、救われないという思想が蔓延していたと思います。旧エヴァはその思想の代表格でした。 現在、このトラウマ主義は影を潜め、「トラウマがあろうがなんだろうが、人間は自分を変える事ができる」「変えるべきだ」という思想のほうが一般的だと思います。心の傷があって不利ならば、より努力すればいいだけだ、という。 人間の自由意志と自助努力を強く信頼しているんです。 しかし、それは悪く言えば、「変われない人間」は本人に全責任があるという考えに繋がります。 「トラウマに縛られている人間」など存在しない、「トラウマを理由にして怠けている人間」なのだ、という「行き過ぎた自己責任論」です。 自己責任以外の思想を認めない、わずかでも他者のせいにしたらクズ呼ばわり、という人間がウジャウジャいるじゃありませんか。 ネットを見てください。「就職できない」とか「病気で働けない」とか「借金が返せない」などという人間を、集団で「お前の弱さが原因だ」「お前が怠けているだけだ」と罵倒する光景が、そこら中にあるじゃないですか。自分が被害を受けているわけでもないのに、ダメのレッテルを貼って潰さずにはいられないんです。どうかしている。派遣村に関して、どれほどの罵倒が吹き荒れたことか。 この、「人間は自力で変われるという信頼と、それゆえの厳しい自己責任」が、宇野常寛の言う「決断主義」「サバイブ感」なんだろうと思いますよ。 ギスギスして、とても嫌な空気です。 でも、「ヱヴァンゲリヲン破」は自己責任論プラスアルファを描いてくれました。 シンジは変わったけど、彼自身の力だけで変わったわけではない。 ゲンドウを含む周囲の人間が、みんな少しずつシンジに歩み寄ったからこそ、彼の内側から大いなる力が溢れだしたのです。 最終的には本人の決断なんだけど、でも他人の影響がすごく大きい。 トラウマ主義と違うのが「誰か一人が深く愛してくれたから、トラウマが解消されて別人に生まれ変わった」という描写ではない点です。 シンジを変えたのは「みんな」、そして最後に「彼自身」です。 逆にいえば、今回の映画でもゲンドウが「お前には失望した」しか言わず、綾波やアスカとの間の絆も壊れていたならば…… シンジは膝を抱えて泣きながら言い訳、という行動しか取れなかったでしょう。 だから「ダメな奴」は、「人間関係に恵まれていないだけ」という可能性がある。 絆があればダメな奴も、力を出せるのかもしれない。 「いきなり自己責任」ではなくて、一度くらいは手をさしのべよう、ということになります。 「ヱヴァンゲリヲン破」の「絆主義」「関係性こそが人を救い、人を変えられる」という思想は、いまの時代を生き抜く一つの答えになると思います。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観てきました。
具体的なネタバレをしないように感想を書きます。 大満足です。 初っ端から、アクションまたアクションで……たった108分の間に使徒と5回も戦うんですよ! しかも毎回趣向が違って新鮮です。「こうなるのか!」「すごいな!」と感嘆します。戦闘シーンは7割くらいテレビ版をなぞっているけれど、「もっと敵のビジュアルを不気味に」「もっと疾走感のあるアクションに!」と、徹底的に研ぎ澄まされた感じです。 人間ドラマのほうも熱く盛り上がります。 シンジがかっこよくなるという話をきいて……私はよわよわシンジが好きだったのに、グレンラガンのシモンみたいな熱血キャラになってたらやだなあ、と危惧していました。噂話を総合すると、もろにシモンなんですよね。 いや! 大丈夫! これはあきらかに前と同じ人間です。見知りが激しくて、「ぼくは父さんに愛されてない」という事に深く傷ついて、寝床でわけもなく不安に駆られる、ひとりで音楽を聴いているときが一番落ち着く、あのシンジです。性格というか魂が変わったわけじゃないんです。でも最終的にはずいぶん違う行動をとります。 どうしてだろう……? これは登場人物たちの「互いに結んだ絆」のせいじゃないでしょうか。 前のテレビ版のシンジだって、「人格が異常」「人並みはずれて臆病」だとは思いません。 人を思いやる心もある。第1話では、見ず知らずの女の子が傷ついているからって、「かわりに僕が出撃します」などと言える勇気もあった。 それがなぜ旧劇場版では、アスカが殺されかかっても膝を抱えて泣いているだけなのか。 挫折体験や失敗体験があまりに積み重なって、シンジの心は折れてしまったんだと思います。 ゲンドウには「お前には失望した」と言われたままで、信頼関係回復不可能。 綾波は自爆して記憶を全部失うし。 仲良く思えたアスカからは憎しみを向けられて、やっぱり関係はズタボロ。 とどめに、好意を寄せてくれたカヲル君まで自分の手で殺してしまったら…… 「友達が死のうが世界が滅びようが知ったことか」という気持ちになっても、そんなに不思議ではない…… いや、そういう気持ちになる人のほうが多い、とすら思います。 ところが新劇場版では、シンジのまわりのゲンドウ、ミサト、綾波、アスカが、テレビ版よりも少しだけ、1割か2割くらい優しくて、人間味があって、相手の気持ちを思いやって、積極的にコミュニケーションする。すると、その優しさを受けた相手も少しだけ優しくなって、テレビ版ではありえないような態度をとって……という相乗効果で、ちゃんとみんなの間に「濃い人間関係」「絆」みたいなものが生まれています。たった108分の映画で、使徒と戦いながらですよ? その人間関係があればこそ、シンジは終盤で頑張れた。「こういう人格だから」ではなく、「こうしたいから」熱血行動を取れた。すごく自然だと思いました。 人間は一人で生きているわけではないんだなあ、と痛感させられる映画でした。 はっきりいっちゃうと、このストーリーは人類保管計画の全否定だと思います。 世界をどうこう、人類をどうこう、なんて大上段に構えなくても、身近な人たちを「現在よりも少しだけ」思いやれば、それだけで幸せは作れるという実例です。 まあ、新劇場版はまだニ作品残っているから、これからドン底に落とされる可能性もあるんですけどね。 でも、今回のシンジ達なら、なんとか切り抜けそうな気がします。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」がすげえ面白いらしい。
なんか、観にいった人の大半が褒めまくってるんだよね…… 単純明快、これぞ娯楽の王道、ストレートにロボットアニメとして楽しめる、という意見が多い。 う、うーん…… 不気味で、ウツウツした部分まで含めてエヴァだと思っていました。 14年前、テレビ版のエヴァを夢中になって見ていたときは、「普通のロボットアニメとしての面白さ・カッコよさ」なんてぜんぜん求めていなかった気がします。 この見たこともない奇怪な作品はどこに転がっていくんだろう、という期待がありました。はっきりいって、当時の私にとってエヴァンゲリオンは娯楽ではなかったのだと思います。 「人知を超えたモノとの接触」「理解できないから凄いんだ」みたいに感じていました。だから普通の娯楽物語のパターンから外れ、シンジは成長せず、謎が明かされなかったとしても気にしなかったんです。 「よくできた、普通の話」になっていたら、それはそれで、なんか違うな…… あと、面白いと思ったのは、ネットの一部(ふたばちゃんねる等)で、碇シンジが「シンジさん」と呼ばれつつあることです。 今回の劇場版を見ると、さん付けしたくなるんだそうです。 そうか、かっこいい男になっちゃうのか、シンジ。 さびしいなあ…… いつまでたっても成長せず、それどころかストーリーが進展するほど甘えて壊れていくシンジは、二十歳ごろの私の救いでした。もしシンジが多少なりとも勇敢で前向きな人間だったら私はエヴァを好きにならなかったと思います。 「成長しろ」というのは「自分を世界に合わせろ」ということです。 「世界が間違っている」と信じている人間にとっては物凄く嫌なことです。 たとえば、イジメられっ子に対して、「頑張って強くなってイジメに勝て」というのは、現実的な対処でしょうが、残酷なことでもあります。 つまり、「強くなれなかったらイジメられ続けても仕方ない」「つまり相手は悪くない、お前の怠惰が悪い」と言われたような気がするんです。イジメる側は口を揃えて「俺たちがお前を鍛えてやっているんだ」「俺達のおかげで、お前は正常な人間になれるんだ」とほざくわけですから。あいつらの言い分は正しいのだと言われた気がするのです。 私は昔、そういう類の説教をしてくる人間を激しく憎みました。 たとえ強くなって幸せになっても、それは自分と全く連続性のない「向こう側に行ってしまった、汚い自分」の人生だから僕とは関係ないと。 何一つ変わらない自分自身のまま幸せになれなければ意味がないと。 成長物語なんて、ただひたすら憎悪の対象でしたよ。 今では「それは不可能だ」「考えても仕方の無いことだ」と諦めています。 そもそも、世の中のたいていのことは「自分も世界も、両方悪い」のであって、どちらか片方の非を認めたから反対側の正しさが証明されるわけではない。二者択一という前提自体が間違っている。 そうなんだけど…… でも1995年~1997年、旧エヴァンゲリオンを見ていた私は、いつまでもメソメソと泣き言を言っているシンジに、それを描いてくれるエヴァという作品に、おそらく魂を救われていた。この作品だけが私を理解して、肯定してくれていると思っていた。「君はダメなままでもいい」と言ってくれる存在はこの世でエヴァしかなかった。 だから、そんなダメシンジが別人になるというなら……「こっちが本物のシンジです」という扱いになるというんなら……私は……どういう気持ちで観にいけばいいんだろう…… |
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